蛍光イエローの溶岩湖や数百万羽の空の舞、巨匠が輩出した映画祭など1月の旅先5選
2. ユタ州、米国
米国最大のインディペンデント映画祭で長編映画を楽しもう。インディーズの映画作品紹介を目的として1978年に始まった「サンダンス映画祭」は、今や10日間におよぶ一大映画イベントに成長した。米ユタ州ワサッチ山脈に囲まれ、雪に覆われたパークシティで、毎年1月、市を挙げて開催されている。クエンティン・タランティーノやウェス・アンダーソンなど、多くの著名な映画監督のキャリア初期の原点がサンダンスにある。 今年の話題作を一通り観たら、ゲレンデで体を動かそう。ユタ州はウインタースポーツの楽園で、岩の多い山岳地帯にはいつも新鮮な雪が降り積もる。パークシティ・マウンテン・リゾートからスノーボードでメインストリートに滑り降りよう。スキーヤー専用のディアバレー・リゾートに向かうのもよい。また、パウダー・マウンテンでは、ナイトスキーのほか、およそ5平方キロメートルに広がるパウダースノーのオフピステ(バックカントリー)でスノーキャット・スキーが楽しめる。 サステナブルな旅のヒント: 市が無料で運行する排出ガスゼロの電気バス に乗り、地元産の品を置いている店で買い物をして、エコな旅を楽しもう。コスメやガラスアートを探すなら、メイド・イン・パークシティへ。バーボン樽で熟成させたチョコレートなら、少量生産のチョコレートメーカー「リチュアル」だ。現地情報はパークシティのウェブサイトで確認できる。
3. サマセット、英国
この冬は、数百万羽のムクドリと一緒に英サマセットへ渡ろう。冴えた1月の空の下、クウォントック丘陵とメンディップ丘陵の間に広がる歴史ある低地サマセット・レベルズでは、鳥の大群が急降下する様子を眺められる。趣のあるアヴァロン湿地帯やハム・ウォールの湿地で空中の舞を鑑賞しよう。 明け方には、ねぐらにする葦の原からムクドリが一斉に飛び立つ様子が、夕暮れ時には、猛禽類が飛び交うなか、ムクドリが大集合して雲のように見える様子が観察できる。壮大な光景の観察ポイント情報は、RSPBのムクドリホットラインに電話すると教えてくれる。 体の芯まで冷え切ったら、温かい格好でサマセット最大の町へ繰り出そう。ローマの時代から、風呂はその癒やしの温泉で人々をひきつけてきた。年中利用できる「サーメ(テルマエ)・バース・スパ」屋上プールで、ミネラル豊富なお湯につかろう。温泉の表面から立ち上る湯気の間からは、街の荘厳なファサードの数々や丘陵地帯を一望できる。冷たい水のほうがいい人には、2022年に再オープンした英国最古の屋外プール「トゥーティング・ベック・リド」がある。冬の間も冷水プールで水泳を楽しめる。 サステナブルな旅のヒント: エクスムーア国立公園は、ヨーロッパ初の国際ダークスカイリザーブ(星空保護区)だ。光害は動物の概日リズム(約24時間周期で変動する活動リズム)や、渡りのパターン、捕食者と非捕食者の関係性に影響を及ぼす。生物多様性の保護や、自然の生息地の保全を通じて、サマセットやデヴォンの広大な荒野や森、海岸線の重要なエコシステムが守られている。