老舗ファンドのワイス、約44億円の賞与を支払い-幕引き決定に先立ち
(ブルームバーグ): 米資産運用会社ワイス・マルチストラテジー・アドバイザーズは46年続けてきた業務の幕引きを発表する数週間前、2800万ドル(現在の為替レートで約44億2000万円)を社員のボーナスとして支払った。米金融サービス会社ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの法廷闘争にそれが火を付けた。
ジョージ・ワイス最高経営責任者(CEO)が創業したワイスは4月29日に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。ジェフリーズはワイスの主要債権者であり、同社のピアース・アーチャー最高執行責任者(COO)は宣誓陳述書で、同社などが負う4300万ドル相当の未払い債務と、戦略的提携契約の下で約5200万ドルの負債の存在を明らかにした。
ボーナスの支払いを選択する前にワイスはジェフリーズと協議していた。ミニマムエクイティーコベナンツを履行できなかったことを受け、 ワイスは2022年1月以降、一連の返済猶予契約を締結した。アーチャー氏によれば、年末賞与の支払いを含め、猶予契約の下で通常業務を継続したという。
ワイスは4月29日、ジェフリーズが賞与に関する訴訟の脅しを用いて、ジェフリーズの債務を他の債権者より優先する猶予契約を強要したと主張し、ジェフリーズと系列の投資運用会社ルーカディア・アセット・マネジメントを提訴した。ニューヨーク州南部地区の連邦破産裁判所への破産申請で、ワイスは修正後の猶予契約を無効とするよう求めた。
ワイスと系列会社は「過去1年にわたり不適切かつ卑劣な行為に繰り返し関与し、ジェフリーズに害を及ぼした」と4月30日の電子メールでジェフリーズはコメントした。
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原題:Weiss Multi-Strategy Advisers Bonuses Spark Fight With Jefferies(抜粋)
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Jonathan Randles