ACL大一番でまたも決めた横浜FM植中朝日「でもナベくんに取られましたね(笑)」本命はアジア制覇決定弾
[5.11 ACL決勝第1戦 横浜FM 2-1 アルアイン 日産ス] 前半早々からビハインドに追い込まれた横浜F・マリノスだったが、またしてもこの男がチームを救った。 【写真】お相手がJ1選手だったと話題に…元アイドルの女優が2ショットで結婚報告 0-1で迎えた後半27分、FWヤン・マテウスからのクロスがゴール前に入ると、そこに反応したのは「前半からクロスに入って行けていないシーンが多く、責任を感じていたので、次は絶対にと決めていた」というMF植中朝日。反省を踏まえたポジショニングから完璧なヘディングシュートをゴール左隅に叩き込み、2ゴールを決めた準決勝第2戦に続き勝利の立役者となった。 ようやく後半に同点弾が生まれた形ではあったが、植中のゴールへの気迫は試合序盤から感じさせていた。前半8分、ペナルティアーク付近からさっそくミドルシュートを放ち、この試合初の枠内シュートを記録すると、同26分にはショートカウンターから果敢に右足を一閃。前にはFWアンデルソン・ロペスもフリーになっていたが、シュートの選択を迷うことはなく、横っ飛びでなんとか阻んだUAE代表GKハリド・エイサをヒヤリとさせた。 植中によると、こうしたシュートへの姿勢がゴールの伏線になっていたという。「もう後悔したくない気持ちがあって、打てるところはどんどん打っていこうと決めていた。前半に何本か打って入りはしなかったけど、打って自分でリズムを掴んだ。そういうのがゴールにつながったと思う」。さらにフィニッシュでは「ロペス選手がニアに行くのはわかっていて、相手が引き連れるのもわかっていたので美味しいところを取りました」と冷静な状況判断も光った。 植中は準決勝第2戦でも、第1戦の1点ビハインドをひっくり返す2ゴールを記録。この日の大胆な姿勢の裏には自信もにじませていた。「もともとFWなので結果でしか評価されないという中で、ACLの大事な試合でゴールできているのは自信になる」。今季はインサイドハーフでの起用が続いているが、ゴールという結果がついてきていることが好調のバロメータになっているようだ。 もっともこの日、勝利に導く決勝ゴールを決めたのはMF渡辺皓太。準決勝でもチームがPK戦に持ち込まれたことで、ヒーローの座をPK戦のGKポープ・ウィリアムに譲っていた植中は「でもナベくんに取られましたね。結局は最後に決めた人(が大事)なのでいいところを取られました」と冗談混じりに本音を明かしつつ、自身の大仕事にも「でも決勝ゴールが一番取りたいので。もうちょっとピッチに立ってゴールを決めたかった気持ちもあった」と苦笑いを浮かべていた。 ただ、名実ともにヒーローとなるチャンスはなおも残されている。25日に敵地で行われる第2戦に向けて「0-0で2戦目を終えようとは思っていない。勝って帰ってきます」と言い放った植中の本命はもちろん、アジア制覇を決めるゴール。「めちゃくちゃ狙っているので、今度こそ自分が決勝ゴールを取って、トロフィーをみんなで掲げたいです」と高らかに宣言し、2週間後の最終決戦に期待を煽った。