「歯医者さんが怖くて通えない」 こんな時どうしたらいい? 歯医者が怖い・苦手な人の歯科医院選びや克服法を歯科医が解説
歯医者さんが怖い・苦手な方でも安心して通える歯科医院とは? 条件や選び方を歯科医がアドバイス
編集部: 歯医者さんが怖い・苦手という方でも安心して通える歯科医院選びのポイントを教えてください。 鹿乃先生: 「治療中の痛み」に関しては、近年痛みに十分に配慮している歯科医院も多いので、そのような歯科医院を探していただきたいと思います。 例えば、多くの方が苦手と感じる麻酔の注射についても、注射部位に表面麻酔(塗り薬)をしっかり行い、さらに極細の注射針や電動麻酔器を使っているところであれば安心です。 また、歯を削る際に通常のドリル(タービン)ではなくレーザーで切削して痛みを抑えている歯科医院もあります。 編集部: 痛みへの配慮を徹底している歯医者さんは安心感が持てますね。そのほかに、歯医者さん選びのポイントはありますか? 鹿乃先生: 技術面の配慮ももちろん大切ですが、歯医者さんが苦手・怖いと感じている患者さんにとって一番重要なのは、やはりドクターやスタッフの人柄だと思います。 基本的なことですが、「カウンセリングに時間をかけて話をじっくり聞いてくれる」「複数の治療法を提案してもらえて、自分で選べる」というのが大切ですね。 編集部: 歯科治療に対する恐怖心が強い患者さんにとって、一番重要なのは「コミュニケーションの取りやすさ」ということでしょうか? 鹿乃先生: はい。当院にも治療が怖いという患者さんが多く来院されますが、そのなかには「話したいことはたくさんあるけど、怖くて話せない」という方も少なくありません。 そのような患者さんに対しては、ゆっくりでもいいので話したいことを我慢せずに、その方のペースでお話しいただけるように努めています。そのうえで、こちらからも治療法をいくつも提案して、互いに相談しながら患者さんが納得いく方法を探していきます。 編集部: 患者の立場としては「自分のことを理解してもらえる」というだけで、安心して治療をお任せできそうです。ただ、それでも「どうしても歯医者さんが怖い・苦手」という場合はどうしたらよいでしょうか? 鹿乃先生: 歯医者さんに来ただけで動悸がする・冷や汗が止まらないといった重度の歯科恐怖症の方は自由(保険外)診療になりますが、「静脈内鎮静法」を導入しているクリニックで治療を受けるのも方法の1つです。 静脈内鎮静法は体を眠っているときと同じ状態にして治療を行うもので、治療中の記憶はほとんど残らず、痛みを感じることもありません。また、使用する薬剤にはえずきを抑える効果もあるため、嘔吐反射が強くて歯科治療が受けられない方にもおすすめです。