弾劾訴追案可決 与党から12人以上の賛成票…尹大統領、就任2年7カ月で職務停止
尹大統領は弾劾訴追案可決から1時間6分後の午後6時6分に談話とこれを発表する録画映像をメディアに送った。動画は国会で弾劾訴追案が可決した直後、ソウル漢南洞の官邸で撮影したという。尹大統領は「国民にお伝えする言葉」という題目のこの談話で「私は今、しばし立ち止まっているが、ここ2年半にわたり国民と共に歩んできた未来に向けた旅程は決して止めてはならない」「私は決して放棄しない」と述べた。その上で尹大統領は「私に対する叱責(しっせき)、激励、声援を全て心に抱き、最後の瞬間まで国家のために最善を尽くしたい」との考えを伝えた。 尹大統領は公職者らに対し「困難でつらい時間だが、揺らぐことなく各自の位置を守り、任された役割を果たしてほしい」「大統領権限代行を中心に皆が力を合わせ、国民の安全と幸福を守るため最善を尽くしてほしい」と呼びかけた。尹大統領は政界に対しては「今こそ暴走と対決の政治から、熟議と配慮の政治へと変われるように、政治文化と制度を改善することに関心と努力を傾けてほしい」と訴えた。尹大統領は原発生態系の復元、4大改革、韓米日協力の復元などに言及し「これまでの努力が無駄にならないか心配だ」との思いも吐露した。 国会事務処の金敏基(キム・ミンギ)事務総長らは同日6時16分に弾劾訴追議決書の謄本を尹大統領に手渡すためソウル竜山の韓国大統領府に到着した。一行は大統領府西門の案内室周辺で1時間ほど待機し、午後7時24分に大統領室庁舎を訪れ尹在淳(ユン・ジェスン)総務秘書官に禹元植議長名義の謄本を手渡した。これにより憲法が定める尹大統領の国家元首、行政府首班の権限は停止となった。尹大統領就任から2年7カ月だ。尹大統領弾劾訴追案可決直後、大統領府入り口の電光板に表示されていた「大統領府に来られたことを歓迎します」という言葉は消えた。 梁昇植(ヤン・スンシク)記者