中高年女性の半数以上が経験する『尿もれ』に効果的な“低負荷”の運動とは|研究結果で明らかに
尿もれは、中高年女性の約半数以上、さらに80歳以上の女性の約80%が影響を受ける実はかなり一般的な健康問題である。最新の研究によると、低負荷のヨガやストレッチが中高年および高齢女性の尿もれを大幅に減少させることが明らかになった。 アメリカのスタンフォード大学医学部とカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究者が実施した研究で、低負荷のヨガが中高年および高齢女性の尿もれ対策に効果的であることが示された。この研究は、2024年8月27日付の学術誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」に発表され、女性たちが日常的に直面する健康問題に対する低リスクかつ低コストの解決策を探る一環として実施された。 <写真>研究結果で明らかに!|中高年女性の半数以上が経験する『尿もれ』に“低負荷”のヨガが効果的 ■中高年女性の約半数以上が尿もれの影響を受けている 尿もれは、中高年女性の約半数以上、さらに80歳以上の女性の約80%が影響を受ける非常に一般的な健康問題である。しかし、多くの人々が解決策を模索したり、助けを求めたりすることをためらっているのが現状だ。 ■尿もれの治療薬に匹敵するヨガやストレッチの効果 今回の研究には、日常的に尿もれの症状を抱える240名の女性が参加した。年齢は45歳から90歳までで、平均年齢は62歳だった。参加者は、12週間のプログラムにランダムに振り分けられ、一方は低負荷のヨガクラス、もう一方はストレッチおよび筋力強化運動を行うグループに分けられた。ヨガプログラムでは、骨盤底を強化するために設計された16種類のハタヨガのポーズを学んだ。週に2回、90分間のクラスに参加し、さらに自宅での練習も求められた。一方、コントロールグループは、骨盤底を意識しないストレッチや筋力強化の運動を行った。12週間のプログラム後、ヨガを実践したグループは、尿もれのエピソードが約65%減少した。同様に、ストレッチと筋力強化運動を行ったグループでも同程度の改善が見られた。この効果は、尿もれ治療のために一般的に用いられる薬剤の効果に匹敵するものであると、研究者たちは述べている。 ■誰でも実践できる低リスク&低コストな改善策 この研究のシニアオーサーであるレスリー・スバック博士は、参加者が「誰でも実践できる」ヨガを学ぶことができたことを強調した。ヨガは安全で、低コストで、医師の介入を必要とせず、どこでも実践できるため、特に高齢者にとって有用だ。また、研究の多くは新型コロナウィルスのパンデミック中にオンラインで行われ、参加者は自宅でヨガを行うことができた。スバック博士は、「尿もれは非常に一般的ですが、避けられないものではありません。生活習慣の改善により、症状が劇的に改善される可能性があります」と語り、運動がいかに重要かを訴えた。尿もれの症状を抱える女性たちにとって、低負荷のヨガクラスに参加することは、治療法としての新たな選択肢となる。「これまでの研究と同様、尿もれのコントロールにおいて、運動が大きな効果をもたらすことが改めて確認されました。ぜひ、自分の体に合ったクラスを見つけてほしいと思います」とスバック博士博士は述べている。 出典:Low-impact yoga and exercise found to help older women manage urinary incontinenceLow-impact yoga, exercise can help older women manage urinary incontinence Low-impact yoga and exercise found to help older women manage urinary incontinence
山口華恵