コロナ禍で悩んだ花の仕事 リケジョが農学部で学んだ命と自然
関心を持ったことに飛び込む
東京農業大学には、学術情報課程があります。博物館や科学館、児童館、公共図書館などの自然科学系司書や学芸員を養成することを目的にした課程で、臼井さんは大学時代に学芸員の資格を取得しました。在学中に植物園での実習も経験し、「空間のなかに植物を展示する」ことも学びました。 「何度も訪れた徳島県のさつまいも農家の方々は、ブランド化した『なると金時』を売っていました。さつまいもに付加価値をつけてほかの商品と差別化し市場価値を上げることで、収入アップや地域の活性化につなげる取り組みを直接、農家の方たちから学びました。ほかにも唐辛子スプレーなどを使って無農薬野菜をつくっている農家さんからは、商品の売りやすさ、売りにくさ、価格設定など、座学だけでは得られない情報をたくさん教えていただきました。樹木にイルミネーションを飾ることができるようにと、就職後に第2種電気工事士の資格を取りましたが、これも興味、関心を持ったあらゆることにどんどん飛び込んだ大学時代の経験が、今の私につながっている気がします」 花と緑の仕事に就きたいという明確な目標がある人には、園芸学部という選択肢もあります。全国的に学べる場が少なくなる中、千葉大学園芸学部の栽培・育種学プログラムでは、園芸生産のエキスパートが多く輩出しています。園芸に絞って学びたい人には、こうした道もいいかもしれません。
朝日新聞THINKキャンパス