〈たつの市・小4児刺傷〉「みんな犯人はアイツしかいないって…」勝田容疑者の幼馴染が見たイジメと“優しい家庭”
「X JAPANの曲を遠足のバスのなかで熱唱」
当時は、その後に起こす事件の萌芽のようなものが見てとれたことは一度もなかったという。しかし。 「イジメほどではありませんが学校の目立っているグループにからかわれたり、イジられたりしても決して何も言い返さずずっと押し黙っていたことがありました。普通なら抵抗するか、泣いて落ち込むとか、もしくはケンカになりとか何か反応をするじゃないですか。でも無反応なんです。 女子生徒に対しては奥手で話しかけることはありませんでしたが、極端に女子から嫌われていたわけでもなかったと思います。彼女もいなかったと思います。といっても彼が特別変だとか、不登校だったり、問題行動とかはなかったんですよね。でも、親友と呼べる存在はいなかったかもしれません。彼は家の近所の野池でよく釣りをしていましたが、いつもひとりでした」 男性は当時していた習い事に通うために、頻繁にその野池のそばを通っており、その度に勝田容疑者に声をかけた。 「だいたい僕の方から『何しとん? 釣れるん?』とか話しかける感じで、彼の方からはあまり話しかけてこない感じになっていましたね。だからそれ以上に話が広がるということもなくて。 日が暮れて暗くなるまでひとりで釣りをしているのをよく見かけました。中学卒業間近に彼と進路の話もして、彼は地元の私学のあまり賢くない高校を志望していました。僕も彼も不良というわけではなく、単なる勉強嫌いでどうやってサボるかばかり考えていたタイプだったので」 目立つことを避けていたような中学時代の勝田容疑者。しかし、一度だけみんなの前で「特技」を披露したことがあった。 「X JAPANの曲を突然歌い出したんです。遠足に行くバスの中で、カラオケをしようってことになって。だいたいそういうのって目立っている子が歌うじゃないですか。そんな中で彼が突然『ENDLESS RAIN』を歌いだして。この曲は英語の歌詞も多くて、それを彼が上手に歌ったので、意外性もあってバスの中はワーって大盛り上がりでした。 X JAPANは僕らの世代では周りで聴いている子はいなかったので、お姉ちゃんの影響を受けているのかなと勝手に思っていました。彼はそれが嬉しかったのか、帰りのバスの中でも同じ曲を歌っていました」