センバツ2022 近江、秋の借り返す 恵みの雨?金光大阪戦へ対策 あす準々決勝 /滋賀
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)でベスト8に進出した近江は26日、小雨が降る中、奈良県香芝市の大阪商業大のグラウンドや施設で午前中の約2時間、キャッチボールや打撃練習で体を動かした。午後は宿舎に戻り、準々決勝で対戦する金光大阪(大阪)の映像を見て対策を練った。同日の2回戦が雨天順延となったため準々決勝は1日延び、28日午前11時半開始予定。【礒野健一】 25日の聖光学院(福島)との2回戦は、初回にエースの山田陽翔主将(3年)が3四死球1暴投と制球に苦しんで1点を奪われた。その裏の攻撃では1死一、三塁の好機で四番の山田主将が併殺打に倒れ、重苦しい序盤戦となった。 しかし、チームの大黒柱の不調に奮起し、試合を立て直せる強さが近江にはある。二回に清谷大輔選手(2年)、津田基選手(3年)、横田悟選手(2年)の3連続適時打などで5点を奪い、その後も攻守で山田主将を援護した。 中学から山田主将と同じチームで野球をする津田選手は「山田は普段の会話ではふざけることも多いけど、いざ野球となるとプレーだけでなく気持ちの面、意識の高さは高校生とは思えないほど」と評する。一方で「山田がいない近江はアカンと言われるのが悔しい」とも漏らす。仲間に対する尊敬とライバル心が、チーム全体で常に高いレベルを求める行動となり、強さにつながっている。 準々決勝で当たる金光大阪は昨秋の近畿地区大会で、四回表まで6点をリードしながら逆転負けを喫した因縁の相手だ。多賀章仁監督(62)は「最後まで気を抜かず、攻めの気持ちを持ち続ける大事さを学んだ、このチームの原点の試合」と語った。秋の借りを返せば、県勢初のセンバツ4強となり、悲願の日本一も見えてくる。