「広告写真は人の生活や意識を変える可能性がある」 NYで突き飛ばされ命を落とした写真家「橋村奉臣さん」 独学で編み出した“一瞬の美を取り出す”撮影技法
スーパーからの帰り道で…
10月22日、午後8時20分過ぎ、買い物に出かけたスーパーからの帰宅途中、ニューヨーク・マンハッタンの路上で、手にした杖を男に払われて突き飛ばされた。転倒し後頭部を強打。歩行者の通報で救急搬送されたが、脳挫傷で意識を失う。 警察はアメリカの白人で32歳の男を傷害容疑で翌朝に逮捕、訴追。互いに面識はなかった。男は訴追内容を否認、動機は不明である。 共同通信のワシントン支局長などを歴任した春名幹男さんは言う。 「たいていは倒れたすきに金品を盗む手口ですが、からかい半分に襲うやからも多い。犯人に白人、黒人のどちらが多いわけでもない。事件を見ても周囲の人は無視しがち。コロナウイルス拡散はアジア系のせいと信じ込み嫌がらせをする人もいて、用心にも限界があります」 11月12日、79歳で逝去。 成功が目標ではなく、毎日感動して生きているかが大切なんだ、と齢を重ねても語っていた。
「週刊新潮」2024年12月12日号 掲載
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