闘志の表れか、槍を持参したズールー

　2024年12月31日(火)さいたまスーパーアリーナ『RIZIN DECADE』に出場する選手の個別インタビューが、29日（日）都内にて行われた。 【写真】槍の使い方を実演するズールー 　第13試合のRIZINフライ級（57.0kg）タイトルマッチ5分3Rで、王者・堀口恭司（アメリカン・トップチーム）に挑戦するエンカジムーロ・ズールー（南アフリカ）が出席。 　南アフリカ、EFCフライ級・バンタム級二階級王者のズールーは、RIZIN初参戦。6歳から極真空手を始め、2008年に3カ国対抗戦で優勝を果たすとムエタイとK-1ルールにも挑戦。2010年にMMAに転向。2016年には『The Ultimate Fighter（TUF）24』に出場し、初戦で扇久保博正と対戦。2R 一本負けした。2023年7月にEFCバンタム級王座決定戦でムサ・セツワペを4R リアネイキドチョークで極め二階級同時王者に。2024年3月の前戦ではフライ級王座も防衛している。MMA15勝6敗1分。 ■テイクダウンを防ぐ自信は100％ ――現在の心境は？ 「試合2日前だが体調はいい。気分もいい。力強く感じる。今回の機会に凄く興奮しているよ」 ――その槍はなに？ 「ズールーの槍と言われていて、キング・シャカが発明した。これは簡単に使えて人を刺すことが出来る。戦争で使う武器だ。戦時中に最初は長い槍しかなくて、その長い槍では近距離での戦闘が出来なかったが、キング・シャカが接近戦で使える槍を考案したんだ」 ――堀口選手の印象は？ 「堀口は素晴らしい選手だし、経験も豊富でRIZINでもたくさん戦っている。爆発力があっていい選手だが、私も最高の作戦を練ってきた。それを披露するのが待ち切れないよ」 ――フィニッシュのイメージは？ 「フィニッシュはサブミッションになるかKOになるか分からないが、自分はフィニッシャーでジャッジに勝敗を委ねるのは好まない。なのでどういう形であろうとフィニッシュを狙いに行く」 ――どういう環境で練習している？ 「素晴らしい環境で練習している。CIT Performance Instituteは非常に良い環境で、トレーニングパートナーもコーチもいるし、素晴らしいコーチの指導の下で練習している」 ――2016年に『The Ultimate Fighter（TUF）24』で扇久保博正に負けてるいるが、今の自分はどう進化した？ 「2016年にTUF24で対戦した時は博正は素晴らしいファイターで素晴らしい寝技の技術を持っていた。その当時、自分はグラウンドの技術を持っていなくて、練習環境も整っていなかった。そこから環境も変えて素晴らしいコーチに出会えて今は克服している。自分の戦績には7つの一本勝ちと7つのKOがあり、判定決着は2つしかない。フィニッシャーとしての自覚と自信を持っている。当時の敗因は寝技がよくなかった。キャリアで初めてリアネイキドチョークで負けたが、それが悔しくて絶対にリアネイキドチョークでは極められない練習をたくさんしたのでディフェンスレベルは高いと思う」 ――堀口の弱点は見つけられた？ 「弱点はある。素晴らしい対策を練ってきているよ。そのことは今は話せない」 ――最近までキャメロン・ サーイマンと練習していたが、それはどういう力になった？ 「自分のジムに所属するファイターで、UFCのスーパースターである彼と練習することで大きな助けになっている。試合準備に大きな影響を与えた。スパーリングだけじゃなく技術的練習をしてきた。ファイトキャンプで彼とスパーしたことが全て実になっている。堀口と同じく彼もオールラウンダーな選手なので堀口のようなスタイルと戦う自信を与えてくれた。なので堀口が何を仕掛けてきても対応できる」 ――堀口選手は伝統派空手、あなたは極真空手がバックボーン。スタンドで堀口選手よりも上回っていると思うものは？ 「打撃においては私の方がアドバンテージがある。ムエタイもキックボクシングもやっているからね。彼にそれほどのバリエーションのバックグランドがあるか知らないが、極真空手は空手の中でも最強だと思っている。セフードやパントージャとも練習したことがあるが、私の打撃に驚いていたので打撃に関しては私の方がアドバンテージがある」 ――堀口選手のテイクダウンを防ぐ自信は？ 「テイクダウンを防ぐ自信は100％ある。防ぐだけではなく、私も彼をテイクダウンすることが出来る。これはMMAの試合なので寝技も積極的に仕掛けていくし、サブミッションも仕掛けていく。なぜならこれはMMAの試合だからだ」 ――UFC世界ミドル級王者のドリカス・デュ・プレシにはインスパイアをどれくらい受けている？ 「彼とは同じジムにいる。私にとっても南アフリカの若い選手にもインスピレーションを与えてくれる存在だ。彼は南アフリカの選手でも世界的な選手になれることを証明し、南アフリカにも格闘技があることを世界に知らせ、道を切り開いてくれた。彼のおかげで自信も付くし、格闘技界で一番大きな団体で王者になっているドリカスと練習する自分も世界レベルの選手だと自信を与えてくれる偉大な存在だと思っているよ」