「万博の魅力はワクワク感」万博グッズ1万点コレクター白井達郎さんの思い
鉄道や道路が整備され、まちが刻々と変わっていった
白井さんは大阪市で生まれ、小学6年生で池田市へ転居。同じ北摂地域の吹田市で開かれる万博に関心を持ち、新聞記事をスクラップしたり、建設現場を見学しながら成長する。鉄道や道路が整備され、まちが刻々と変わっていく様子が面白かった。 高校入学前の3月に万博が開幕。長めの春休みを利用して会場に足を運んだ他、高校進学後の夏休みには会場内のレストランでアルバイト。勤務以外の空き時間にくまなく会場内を歩き回った。
万博イノベーションのすそ野は広い
70年万博のテーマは「人類の進歩と調和」。マルチ映像、仮想体験、ロボット、携帯電話、人間洗濯機など、数々の未来技術が話題を呼んだが、白井さんは万博イノベーションの担い手はパビリオンを構える大手企業に限らなかったと指摘する。 「思い出を残す入館スタンプ、缶コーヒー、回転寿司、フライドチキン。いろいろな企業にとって、万博が新しい技術やサービスを発表し、大きく飛躍する場となりました。万博研究を通じて、会場内で使用する唐揚げ粉やごみ袋を作っていたという人たちとの接点が生まれ、埋もれがちな事実の発掘につながったこともあります。万博で生まれるイノベーションのすそ野はとても広い。もう一度、新しい世界を体験できるわくわく感を共有したいですね」(白井さん)
大阪にとっては2度目の開催を目指す25年万博。日本(大阪)、ロシア(エカテリンブルク)、アゼルバイジャン(バクー)。開催地決定を争う三つどもえの戦いは、最後まで予断を許さない。発展途上にあるアフリカや中南米など、カギを握る各国代表へどのように支持拡大を訴えるか。 「70年万博では国際共同館というエリアを設け、資金面で潤沢とは言えない国々の参加を支援しました。各国の経済的負担を軽減し、展示に専念してもらう。ウルグアイも国際共同館に出展した国のひとつでした。すでに運営実績のある大阪万博を信頼して参加してくださいとアピールすれば、理解が広がるのではないでしょうか」(白井さん) 大阪開催が決定すれば、またグッズを集めたいと意気込んでいる。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)