セレスティアのTIAが25%急騰──トレーダーは空売りを継続
ブロックチェーンデータソリューション、セレスティア(Celestia)のネイティブトークンであるTIAは今週25%上昇し、7.30ドルを記録した。これは時価総額上位100のデジタル資産の中で最高のパフォーマンスだ。 CoinGlassが追跡している資金調達率(ファンディングレート)によると、トレーダーは現在進行中の価格高騰に懐疑的で、この暗号資産(仮想通貨)に連動する永久先物を空売りすることで弱気な賭けをしているようだ。 週末にかけて取引所の平均資金調達率はマイナスに転じ、その後-0.1231%まで低下し、1月以来の水準に達した。つまり、弱気な賭けに対する偏りがここ6カ月で最も顕著になっているということだ。 資金調達率は強気または弱気のポジションを保有するコストを表し、8時間ごとに計算され、トレーダーから徴収される。マイナスの場合は、価格の下落を予測するショートポジションのトレーダーがロングポジションのトレーダーに手数料を支払っていることを意味あうる。この状態は、ロングポジションに対するショートポジションの需要が高い場合に発生する。 価格高騰に伴うショートへの偏りは、「直近バイアス(recency bias)」の典型例のように思える。つまり、他の重要な進展よりも、ここ数カ月のTIAの価格暴落により重点が置かれているということだ。TIAの最新の反発は、価格が21ドルから5ドル未満に80%下落した5カ月間の下降トレンドの後に起こった。したがって、トレーダーがこの反発で売りに偏るのは特に驚くことではない。 しかし、トレーダーは、急成長中のWeb3取引のパーミッションレス流動性レイヤーであるOrderly Networkのようなレイヤー2ネットワークのデータ可用性レイヤーとしてのモジュール型ブロックチェーン、セレスティアの役割を見落としている可能性があり、価格反発は持続する可能性もある。 「安全なパーミッションレスな流動性が、オンチェーンパーパス市場を実用化するための最大の障害のひとつであることを認識すると、ここにデータ可用性レイヤーが必要だという考えは理にかなっている。そのため、あらゆる取引所に共有流動性を提供できる中間レイヤーを持つことは、今後の明らかな解決策のように思える」と匿名のアナリストDeFi^2がXで説明した。 「このようなケースの実際のインフラの中核として、今週はセレスティアを中心にモジュラーサミットが開催されるなど、セレスティアには底堅い相場の入り口にふさわしい要素が数多く揃っている」とDeFi^2は付け加えている。 モジュール型ブロックチェーンであるセレスティアは、合意形成と実行を分離し、スケーラビリティを向上させる。そして、ロールアップやレイヤー2ネットワークで使用されるデータのストレージシステムとして機能し、それらの高速化とより多くのトランザクション処理を実現する。 ニア(Near)ブロックチェーン上に構築されたWeb3取引用のパーミッションレス流動性レイヤーおよびインフラプロバイダーであるOrderly Networkは、データの可用性確保にセレスティアを使用している。7月5日、Orderly Networkの累積取引高は過去最高の62億ドル(約9920億円、1ドル=160円換算)に達し、累積純手数料は660万ドル(約10億5600万円)を超えたが、セレスティアネットワークに投稿された全データの40%を占めていると同ネットワークはCoinDeskにメールで報告した。 また、空売りの偏りがさらなる価格上昇のきっかけとなる可能性もある。空売りポジションを持つトレーダーが現在支払っている資金調達率は、価格が堅調に推移すれば負担となり、最終的にはショートポジションを決済せざるを得なくなる。その結果、ショートスクイーズラリーと呼ばれる現象が起こり、価格が上昇する可能性もある。 |翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:CoinDesk|原文:Celestia's TIA Token Surges 25%, Leaves Crypto Traders in Disbelief
CoinDesk Japan 編集部