“攻撃的3バック”で2戦3発…南野拓実が感じる「今までの日本代表にはなかった」強み
日本代表MF南野拓実(モナコ)が8日、北中米W杯アジア最終予選第2戦に向けた遠征先のバーレーンで報道陣の取材に応じた。気温35度、湿度70%という厳しいコンディションでの調整が続く中、「思ったより体感温度は暑いなというのが正直な気持ち」と述べつつも、「でも相手も一緒。しかも2戦目まで時間が空いたのでいい準備をしたい」と意気込みを語った。 【写真】「スタイル抜群」「目のやり場に困る」“勝利の女神”のアウェー遠征に反響 南野は5日の最終予選初戦・中国戦(◯7-0)でフル出場。後半の立ち上がりにMF三笘薫、FW上田綺世との好連係から2ゴールを決めるなど、過去2大会敗戦の“鬼門”突破の立役者となった。また南野は6月のシリア戦(◯5-0)でもフル出場で得点を記録しており、新たに導入された3-4-2-1の布陣への高い適応力を発揮している。 南野は中国戦の出来について「前半と後半で相手がシステムを変えた中、ピッチの上で的確に相手の嫌なスペースとかボールの動かし方を自分たちで意図的にできた」と総括。新布陣の強みを「両ウイングにいい選手がいて、彼らの特長を活かすためにいいフォーメーション。それは今までの日本代表にはなかったと思うし、より現代的なサッカーの戦い方を可能にする選手がいるからメリットだと思う」と評した。 現代的という点でいえば、中国のカウンターを受けた際の対応では、攻撃的な選手の守備意識が効いていた。献身的なプレスバックでピンチを防ぐ場面も見せた南野は「みんなそれぞれのチームで、今のサッカーではよりトランジションでのスピードを求められるし、奪われた瞬間というのはみんな意識していた」と回顧。「そういう良いシーンがあったからこそ、相手をなかなか自由にさせなかったのが良い部分だった」と収穫を語った。 また攻撃面では前線の選手のクオリティーが発揮されただけでなく、それぞれがボールを受けやすいようにポジション移動を繰り返し、それでいてポジションが互いに重なりすぎないという連係面の良さも見られた。 そうしたスペースの分担について南野は「正直、感覚ですね。ピッチの中で『この選手がここにいるから自分はここだな』というのを僕は感覚的にやっている」と口にしつつ、「個人的にも試合を見返して、もうちょっといいポジションを取れたなというのは毎回修正しているし、練習中に喋ったりする作業はもちろんやっている」と活動ごとの積み上げに手応えを語った。 もっとも南野は「相手が強かったらまた難しくなってくると思うので、あの試合に喜びすぎないほうがいいのかなと思う」とも述べ、今後の戦いに油断なく挑む姿勢を強調した。「サウジとオーストラリア相手には課題も出てくるのかなと思うけど、まずは目の前のバーレーン戦に臨みたい」。一戦一戦に照準を合わせつつ、長期的な目線で“攻撃的3バック”と向き合っていく構えだ。