【どうして?】ブレーキを踏んでいないのに…ブレーキランプがつきっぱなし 「バッテリー上がりや思わぬ事故の原因に」整備士が対処法を解説
ブレーキを踏んでいないのにブレーキランプがつきっぱなしになるのは、車に何らかの不具合が発生している状態です。そのまま走り続けることは他のトラブルにもつながり、法令違反にもなるので早急な対処が必要です。なぜ、ブレーキランプがつきっぱなしになるのか?そのままだとどのような問題があるのか、対処法や修理費用について現役整備士が解説します。 【図解】ブレーキランプが点灯する仕組み…ストッパーの破損でランプが消えなくなることがあります
ブレーキランプがつきっぱなしになる原因
ブレーキランプがつきっぱなしになる原因はいくつかあります。 ・ブレーキスイッチのストッパーの劣化、損傷、脱落 ・ブレーキスイッチの不具合 ・コンピューター(コントロールユニット)の不具合 ・ブレーキランプに関わる配線の短絡 ブレーキスイッチはブレーキを踏んでいない状態のとき、スイッチがストッパーに当たって押されています(縮んでいる)。逆にブレーキを踏むとスイッチが伸びます。ブレーキスイッチが伸び縮みすることで、内部の接点がON/OFFします。このときの電気の流れをコンピューターが検知し、ブレーキペダルを踏む/踏まないに連動してブレーキランプをつけたり消したりします。 ストッパーが劣化して割れたり脱落すると、ブレーキを踏んでいないときに本来縮む方向に押されていなければいけないスイッチが、伸びきったままの状態となります。すると、コンピューターがブレーキを踏んでいると誤判断してしまい、ブレーキランプを点灯させ続けてしまいます。 ストッパーは樹脂やプラスチックでできており、新車から年数が経過し経年劣化によって割れたりすることが多いです。また、ブレーキスイッチ内部の故障やコンピューター内部の不具合、配線の不良が原因で同じくブレーキランプがつきっぱなしになることがあります。
ブレーキランプが消えないままだとどうなる?
ブレーキランプが消えないままだと、法令違反ならびに車検不合格のほか、バッテリーが上がるといった様々なトラブルの原因になります。 ▽バッテリーが上がる ほとんどの車で、ブレーキランプには常時電源が使用されています。エンジンを切った状態(POWER OFFやIG OFF)でもブレーキランプは点灯します。 エンジンが掛かっていない(HV車やEV車だとシステム起動していない)状態だと、バッテリーへの充電が行われません。そのため、ブレーキランプがつきっぱなしだと常にバッテリーの電力を消耗し続けることになります。その結果、バッテリー上がりのトラブルに繋がるおそれがあります。 ▽事故を誘発する恐れがある 故障してブレーキランプがつきっぱなしだと、減速しているのか加速しているのか、後続車が判別することは困難です。車の状況を正しく周囲に伝えられないことで、思わぬ事故を誘発する恐れがあります。自分が走る分にはなんの支障もないという自分勝手な考えは御法度です。 ブレーキランプつきっぱなしでの走行は、非常に危険であることの自覚を持ってください。 ▽法令違反になる 解説したように、そもそも自車の状況を周囲に正しく伝えることができない、ブレーキランプのつきっぱなしは非常に危険です。そのため、ブレーキランプのつきっぱなしは保安基準不適合かつ整備不良に該当します。保安基準不適合だと車検に合格できる状態ではありません。 また、整備不良として道路交通法の定めにより以下の罰則が科せられます。 ・違反点数…1点 ・罰金…7,000円(普通車の場合) 【補足】ハイマウント常時点灯は法令違反 近年、LEDの普及に伴って灯火装置関連のアフターパーツが多く販売されています。その中には、装着により法令違反となるものも多いです。今回の記事に関連したところだと、ハイマウントブレーキランプを走行時に常時点灯させるアフターパーツの装着、または加工をしている車を見かけることがありますが、これも法令違反になるので注意しましょう。