【綾瀬はるかさんインタビュー】はじめての長期休暇。作品と離れることで気づいた、本当の思い
【LEE COVER INTERVIEW】綾瀬はるかさん 「旅と人生、ときどき休み」
ここ数年は次々と大きな作品に挑戦。「気づけば、ずっと走り続けてきた」と語る綾瀬はるかさん。そんな彼女が俳優人生で初めて経験した、長期休暇。作品と離れることで気づいた、本当の思い。39歳の今、綾瀬さんがリアルに感じている“自分らしい人生の歩み方”。 Profile あやせ・はるか●1985年3月24日生まれ。NHK大河ドラマ『八重の桜』や『義母と娘のブルース』等、出演作は多数。昨年は映画『リボルバー・リリー』が大きな話題に。今年は『原色 綾瀬はるか 2013-2024』や『ハルカノセカイ 05』と2冊の写真集も発売。
ずっと走り続けてきたからこそ一度、作品から離れて頭をからっぽにしてみたかった──Haruka
「少し前、ちょっと長めのお休みというか、作品と離れる時間を取らせていただいたんです」 ふわりと柔らかい微笑みを浮かべながらインタビューの席についた、綾瀬さんから飛び出したのが冒頭の言葉でした。作品の撮影から離れた期間は約1年弱。綾瀬さんにとってそれは“人生初の長期休暇”になったそうです。 「大河ドラマを撮り終えたときも、30歳になったときも、“ゆっくり休みたいな”と思うタイミングは今までも何度かあったんです。でも、ありがたいことに次々と作品のお話をいただいて……。気づいたら“あれ、私ずっと走り続けているな”って。20代や30代前半は自分も挑戦を求めていたから頑張れた。でも、ここにきてついに脳みそがパンクしてしまったんでしょうね(笑)。大きな作品が続いたときに“物覚えはいいはずなのに、セリフが頭に入ってこない!!”って。そこで私は思ったわけです。これは脳みそが“休みたい”と言っているぞって」 ▶“休み下手”を再確認した人生初の長期休暇 「実は私、こう見えて休むのがあまり得意ではないんです。何もしないとサボっている気がしてしまうというか。このままでいいのか、何かしなくちゃって、気持ちが焦ってしまうから。“今まで頑張ってきたんだから、休んでいいんだよ”という周りの言葉に背中を押され、長期休暇に踏み出したものの、最初はソワソワしていましたからね。“私のしたいことはなんだ?”と自分に問いかけては見つからないことに焦り、“休みを無駄にしてはならぬ!”と、よくわからないプレッシャーを自分にかけてしまったりして(笑)」 その結果「友達とマルタ島を旅したりもしたんですけど……。家で海外ドラマを見たり、ゴロゴロしているうちに、あっという間に休みは終わってしまいました」と綾瀬さんは笑います。 「でも、そのゴロゴロが楽しかった。今までも作品と作品の合間にお休みはあったんですけど。やっぱり、そこでは次の作品のことを考えてしまうというか。あれもしなきゃ、これも覚えなきゃって、緊張感のようなものがずっと抜けなくて。でも、今回はそれを抜くことができたから。頭をからっぽにできただけで、“ああ、なんて贅沢な時間なんだ!”って」 お休み期間中には引っ越しや断捨離もしたそうです。 「引っ越しをするときって、自分の物の多さに驚きますよね。できれば“トランクケース3台あれば十分”みたいな生活をしたいとずっと思っているんですけど、なかなか物を捨てることができない。で、頑張って断捨離を始めたのに、うっかり昔の日記を見つけて、読み返しているうちに一日が終わってしまったりして(笑)」 過去の日記を開いて気づいたのが、“今日のうれしい”をたくさん書き留めていたこと。それを読み返すだけで心が温かくなったそう。 「その日にあったうれしいことだったり、人に言われてうれしかった言葉だったり……。忙しい日々を過ごしてきたからこそ、“忘れたくないこと”を、私は日記に書いていたのかもしれませんね」