「6浪で医学部合格」秀才だった彼女の選択の過ち 受験科目の選択ミスが人生を大きく左右した
そんなR.さんは、3浪目に個別指導をお願いした医大生との出会いが、自分の勉強に対する考え方や姿勢を改め、問題を深く考えて突き詰めようと思うきっかけになったと言います。 「『自分で1問を突き詰めて考えなさい』と言ってくださる先生でした。当時の私は、知識の使い方をわかっていなかったんです。受験で通用するレベルに到達するには、知識だけじゃなくて、突き詰めて思考する段階にまでいくこと。それで初めて受験で通用するレベルにまで達するんだと教わって、学力が伸び始めました」
選択科目も、ようやく5浪目に物理を生物、地理を日本史に変更したことが大きかったと言います。高校1年生からの7年にも及ぶ執着を、勇気を持って投げ捨てたことで、この年から2年続けて2次試験まである医学部の1次試験に合格するようになりました。 ■ずっとE判定だった大学の医学部に合格 そしてついに6浪目、ようやく悲願であった医学部への合格を果たしたのです。 「今、通っている大学は1浪目の最初から6浪目の最後までずっとE判定だった大学なんです。その大学に入れたのはとても嬉しかったです。(6浪目のときは)この年こそはどこかの医学部には受かるだろうという感触がありました。最後の1年は目に見えて成績が上がっているわけではなかったのですが、合格に向かって進めている感覚があったからです」
こうして夢への切符をつかみ取ったR.さん。「6浪しましたが、医学部に入れてよかったと思います。浪人したことに後悔はありません」と語る彼女に、浪人を経験して良かったことを尋ねてみると、次の言葉が返ってきました。 「若い間に自分だけに向き合えたことで、自身を深く知り、可能性を探れたことです。その過程を経て、今、自分の歩みたい人生を送れているので自己肯定感を持てるようになりました」 周囲の人にも恵まれ、充実した毎日を送っているそうですが、どうしてもつきまとう「6浪の女性」という声については、どのように考えて受験生活を送ってこられたのでしょうか。