マセラティ「売却」の可能性? 損失136億円 ステランティス、不採算ブランドに「いずれ決断を下す」
事実上の "名指し" 警告?
大手自動車グループ、ステランティスは今年上半期の利益が大幅に減少したことを受け、不採算ブランドを閉鎖、または売却する可能性がある。 【写真】マセラティの「新時代」は始まったばかりだが…【マセラティMC20チェロを写真で見る】 (18枚) カルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は記者団に対し、「利益が出ないブランドは閉鎖する。利益の出ないブランドを持つ余裕はない」と発言した。 プジョー、フィアット、ジープなど14ブランドを傘下に収めるステランティスの2024年上半期の利益は、前年同期比48%減の56億ユーロ(約9350億円)だった。 傘下のマセラティは8200万ユーロ(約136億円)の調整後営業損失を計上した。その結果、詳細不明だが「経営上の措置」がとられたという。ステランティスはまだ他のブランドの業績を公表していない。 欧州の自動車専門誌『オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ』は、アナリストの言葉を引用し、ステランティスがマセラティを売却する可能性が示唆されている、と報じている。 このアナリストによると、グループ全体の売上にわずかしか貢献していないDSとランチアも売却の対象になる可能性があるという。 タバレスCEOは『ブルームバーグ・テレビジョン』に対し、「ブランドは活用するためにある。もし、それぞれの価値をマネタイズできなければ、いずれ決断が下されるだろう」と述べた。 ステランティスは上半期の業績不振について、欧州全体の消費冷え込みと北米での落ち込み、製品ラインナップの縮小により販売台数が減少したためと説明している。また、プジョー3008や5008など、いくつかのモデルの世代交代による影響もあったという。
ウィル・リメル(執筆) 林汰久也(翻訳)