〝叛逆老人〟86歳のルポライター鎌田慧は社会の断面を書き続ける 冤罪、原発、労働…全12巻の選集刊行開始 「完結まで死ねない」
肩書は「ルポライター」を通してきた。「評論家っていうのも作家っていうのもおこがましい。ずっとルポライターで終わろうとしているけど、(「鎌田慧セレクション」が完結する)あと2年は生きるよ。完成しないで死ぬわけにいかないから」 最近は取材でメモを取るのが難しいという。「裁判の傍聴なんかでも速記じゃないですけどメモはできたんですよね、今は全然できない」。こうぼやきながらも現在、東京新聞での週1回のコラムをはじめ、毎週2~3本の締め切りを抱えている。「頭の刺激になっているから。それがないとどんどん忘れちゃう」と笑う。 コラムをまとめた単行本のタイトルは「叛逆老人」。「昔は仙人みたいに山にこもって静かにしていたでしょうけど、今は〝叛逆老人〟を全うしたい」。86歳、まだまだ書き続ける。