ゴーン会長に不正疑惑 日産が会見(全文1)個人に権限が集中し過ぎた
今後の進め方について
今後の進め方について、少しお話しできるところを申し上げますと、今年度からルノーに任命された取締役に加えて、純粋な独立取締役の方2名に当社の社外取締役をお願いしております。今度開きます緊急の取締役会においても、それ以降ご相談をしてまいりたいと思いますけども、第一歩として取締役会として、この独立取締役の方を中心に第三者の専門家も入れた委員会を早急に立ち上げて、今回の事案の背景、要因などを掘り下げていただいて、ガバナンスの問題提起、根本的な見直しということにつなげていきたいという、まずそういうアクションを取りたいというふうに思っております。 当社に限ってみれば業務運営面、執行体制面の面では大きな影響はないと思っておりまして、今現在、執行体制の部分でご案内する変更はございませんけども、今後さまざまな観点からの変更が必要と思われた場合には速やかに断行、実行をしてまいる所存であります。またルノー、そして三菱のアライアンスパートナーの皆さんとの仕事の仕方につきましては、変更なり調整が必要な場合はその都度、3者で相談の上、迅速に実行してまいりたいというふうに思っております。 今回の事案は、ルノーの会長兼CEOでもある、また三菱自動車の会長でもあるカルロス・ゴーンの逮捕、収監ということになりました。特にルノーへの影響は大きいと思いますが、あくまでこれは重大な不正の除去ということが本質でありまして、ルノー、日産、あるいは三菱とのパートナーシップになんら影響を与える性格の事案ではないというふうに思っております。そしてむしろ緊密に連携をして、そして混乱を収拾して各社の事業運営、またはアライアンスの活動に影響が出ないように努力をすると、この姿勢が大事だと思っております。 そしてまだ少し早いですけども、将来に向けては極端に特定の個人に依存した形から抜け出して、よりサステイナブルというか、維持可能な形を目指すという意味では、パートナーの皆さんと相談していかなければいけませんけども、良い見直しの機会になるんではないかという認識を持っておりまして、その方向でルノーの取締役会の皆さん、あるいは三菱の益子CEOとのコミュニケーションもすでに始めております。 ガバナンスという観点においては、やはり課題が多いと思っております。特に大きな構造として、43%の株を持っているルノーのトップが日産のトップを兼任するということは、やっぱりあまりにもガバナンス上、1人に権限が集中し過ぎることが問題だと。これだけが原因ではなくて、これはやっぱり1つの誘因だというふうに思いますので、先ほどの委員会でもそこも掘り下げていただければというふうに考えております。