「まるで脅しのようなやり方だ!」…確認作業では隣のマンションと取り間違え「世田谷・違法高級マンション」でこだまする住民らの「悲鳴」
今後は全くの白紙
―期限を区切った理由についてお聞かせください。 「早期の買い取りをしたいというのが我々の思いでして、条件を変える期限を設けさせていただいております。一方で期限は区切ってはいますが、住民の方々とは個別の交渉で様々なお話し合いをさせていただいております」 ―組合、住民への取材のなかでは「従来通りの建て直しを行い、その後に住民と買い取り交渉を行うべきではないか」という声もある。その点についてお聞かせください。 「今の方針としましては買い取りさせていただいて、現在のマンションでは耐震構造上、問題がありますので、解体して早期解決するというものです。1998年に建設し、長く住まれている方がいらっしゃり、また思い出が詰まっている場所というのは理解しております。我々も非常に心苦しいですが、実態として法令違反があるわけで、そういう建物を残しておくのは周辺の方々にとっては不安だと思いますので、住民の方と個別具体的に交渉している状態であります」 ―取り壊した後の土地はどうする予定でしょうか。 「全くの白紙の状態です」 ―フロレスタ以外にも「東急ドエル・アルスシリーズ」は全国各地に建設されているが、他のマンションの点検は行っているのでしょうか。 「すべての物件で異常がないかどうかはモニタリングなど定期検査、また特別な事象があれば特別検査を実施しております。また同様の事象が起きているという報告は現時点では上がってきておりません」 ―フロレスタの件があって再度、点検を行っているのでしょうか。 「常にしております。もちろん今回の問題があったということで点検は行っていますが、ひび割れなど施工不良の予兆についても常にモニタリングしております」 ―世田谷フロレスタもその「常にモニタリングするマンション」に含まれていたはずだが、なぜ施工不良の発見に時間がかかってしまったのでしょうか。 「建物の異常が起きた時に関して我々が対応するということになっておりまして、何も起きてなければ何も起きてないだろうということになります。ですので、そのマンションで『こういうことが起きましたよね』『こういうことがおかしいですよね』というものがなければ、そこの部分は基本的にあったものを対応していく形にしております。他社の物件の事例なども参照しながらモニタリングしている状態です」 ―会見など会社としてのご説明を行う予定はあるのでしょうか。 「今のところ予定しておりません。理由としましては、分譲マンションの場合は販売すると住民の方、管理組合の方に権利が移ってしまいます。そのなかで我々が会見を開いて何かを説明してしまうと他人の資産を棄損してしまう可能性がありますので、住民の方々と水面下で交渉を進めていたのが事実であります。今の状態にあっても現在も交渉を進めておりますので、こちらでリリースを出したり、会見を行う予定はございません」 ―取材のなかで、問題発覚後の東急不動産の対応について納得がいかない住民の声も把握しております。その点についてのご見解をお聞かせください。 「我々としては調査して、その結果をお知らせするなど段階を踏んでご説明している流れではあります。ただ住民の方のご心労をおかけしているのは確かです。我々としては個別の交渉で早期解決のために努力を続けております」