ドラマ『量産型リコ』三女・香絵役をオーディションで射止めた新人俳優・佐月絵美、演技審査での秘話を告白「女子高生っぽくというより少しおじさんぽく演じました」
■「幼少期からずっと頭の片隅に俳優への想いがあった」
――香絵は映像に夢中な女の子ですが、佐月さんご自身は、学生時代にどんなことに夢中になっていましたか? 「私は小学6年生のころからずっと卓球をやっていました。めっちゃショートカットでムキムキな感じで。県大会でも上位だったり、東海大会にも出場したり、男の子に交じってやっているような卓球少女でした」 ――俳優への憧れは、いつぐらいから抱いていたのでしょうか。 「私が幼少期に過ごしていたところが、田舎というより本当に森みたいな場所で、周りに何もないようなところだったんです。そこに住んでいたときに、森の中にあるキレイな公園があったのですが、一人で走っている中で、"誰か私を撮ってくれないかな”と思って。こんなにキレイなところですごく良い感じの雰囲気の中、私がワーって走っている姿を撮影したものを観てみたいって思ったのですが、もちろん一人なので撮ってもらえるわけもなく…。そんな中で、金曜ロードショーとか、テレビで放映されている映画を観たときに、映画には自由な世界があるなって感じたり、いろいろと与えられたものがあって。学校でもずっと一人芝居しながら歩いたりしていて、”自分はそういうものに興味があるんだな“って思っていたけど、それは別に"夢”になるわけではなく、ずっと頭の片隅に想いとしてあっただけで、普通にそのまま小・中・高と過ごしていたんです」 ――その想いが具体的な憧れや目標になっていったのは高校生の時? 「そうですね。母が私が幼少期にポロっとそういうことを言ったからなのか、『そういえば、俳優やりたいって言ってなかったけ?』って、映画に誘ってくれたんです。そのときに『きみの瞳が問いかけている』という、吉高由里子さんと横浜流星さんが出演されている作品を観て、すごく伝わってくるものがあってボロボロ泣いてしまって。私の周りの人たちも鼻をすすっていたり、ハンカチで目頭を押さえていたりするのを見て、"私もこうやって誰かの心を動かしたい”と思いましたし、自分のことをずっと嫌いだったけど、役として誰かに別の人になったときに、自分の中に新しい引き出しを見つけることができて、自分のことも好きになれるんじゃないかなという僅かな希望を抱いて。それで迷わず母と応募書類を書いて、スターダストプロモーションに応募しました」 ――そういったきっかけからスタートした佐月さんの俳優人生。この仕事の魅力・楽しさはどんなところで感じていますか? 「本当に素晴らしい仕事だなと思いますし、すごく誇らしい仕事だなとも思っています。もちろん大変なこともたくさんあります。たとえばオーディションも受からなかったら落ち込みますし、でも受かったとしても嬉しい反面、”私で大丈夫かな“と不安になりますし、一言で演じることは”楽しい”とは言いたくないというか。努力が絶対に実るとは限らない世界ではありますが、いただいた役と向き合って真心込めて演じたときに、その役になれたと思う瞬間があって、そのときの感覚は他では得難いものだなと。それに、かつての私がそうであったように、私の演技や表情で誰かが涙してくれたら…というような野望もあったり、いつか叶うんじゃないかなと、どこかで希望があったり、可能性が無限大な世界だなとも思います」 ――俳優としての今後の目標も教えてください。 「何を考えているのかわからないというような、空気みたいに掴めない感じの役というか、ミステリアスな役をやってみたいなと思っています。私は2年くらい前から奥田瑛二さん主催の『奥田塾』に参加させていただいているのですが、それがきっかけで出演させていただいた奥田さんの作品で、不思議ちゃんを演じたときに、すごく楽しくて。そういった少し陰のある役というのは、私自身にも共通する部分だと思うので、やってみたいなと思っています。それと、全国の映画館で上映されるような作品や、舞台作品にも出演したいと思っています。それは、もっとたくさんの方に知ってもらいたいというより、私の芝居で伝わるものがあったらいいなと思っていて。いろんな役を演じることができる、そういう実力派といわれるような俳優になりたいです」 ――そういったご自身の夢や目標を叶えるために、実践していることや、大切にしていることはありますか? 「最近は、体力をつけるためにランニングをしたり、筋トレしたりしています。奥田塾で舞台発声の練習をしたりするのですが、息が続かなかったり、お腹から出しているつもりが、いつの間にか喉で出してしまっていて声を枯らしてしまったり、後半弱くなってしまったり、自分の体力の無さを実感して。これではいけないなと思ったので、体作りを意識しています。それと、台本を解釈できないとダメだと教わったので、最近は本をたくさん読んだり、映画などの作品も見るようにしています。そういった仕事のために自分を高める隙間の努力は大切なのかなと思います」 ――自分の弱点を理解して、努力することは大切ですよね。 「それと一番大事なのはメンタルだなとも思います。私はお芝居した後に素に戻るときの切り替えがまだ上手くできなくて。ダメージを受けてしまうときがあるので、メンタルを整えるためにも自分が好きな音楽を聴いたり、ダンスを踊ったり、本当に楽しいと思う時間を作ることも大事なことだなと実感しています。最近は1日の時間配分をちゃんとしようと思って生活をしていて、お芝居のことを考える時間と自分の好きなことをやる時間と、それぞれバランス良くやっていきたいなと思っています」 【プロフィール】 佐月絵美(さつき・えみ)●2004年2月3日生まれ、岐阜県出身。スターダストプロモーション所属。 2021年、スターダストプロモーション主催『第2回スター☆オーディション』のファイナリストになったことがきっかけで、同事務所に所属。 主な出演作は、短編映画『ワタシって何もの』主演、映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』、映画『シンデレラガール』、Hulu U35 クリエイターズ・チャレンジ 第2回グランプリ作品『はじめてのよあそび』、映画『火だるま槐多よ』、映画『ブルーピリオド』など。9月には初の舞台作品、BOW 第15回公演 『僕にだけやさしい古書室/兄と妹』(9月19日~23日/シアター・アルファ東京)への出演が控えている。
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