【フェアリーS】高回収率の赤松賞組がやや優勢 レイユールは中山芝1600mへのコース替わり歓迎
参考レースを振り返る
1月12日(日)に中山競馬場で行われる3歳牝馬限定戦のフェアリーS(GⅢ・芝1600m)。過去10年で1番人気の勝利はなく、2017年アエロリット、2022年スターズオンアースと後に3歳GⅠを勝利する2頭以外は全て馬券圏外と波乱の決着になることが多い。 【フェアリーステークス2025 推奨馬】キレ鋭い末脚を持ち大物感漂う! 調教では古馬OP相手に互角の動き(SPAIA) 今年は登録26頭と出走するためには抽選を突破する運も必要となるが、ここでは主な参考レースを過去10年のデータとともに振り返っていく。
赤松賞【データ:A メンバーレベル:B】
過去10年の成績【2-2-1-11】勝率12.5%、連対率25.0%、複勝率31.3% 2016年のビービーバーレル以降勝利はないが、回収率は単260%、複111%と高く、相性がいい。今年は前走赤松賞から3頭が登録している。 レースは好スタートを切ったミラーダカリエンテが逃げる展開で、前半800m通過は48.1というスローペース。3番手の外から運んだマピュースが残り150mで先頭に立ち、1:33.9というタイムで勝利した。 2着のレイユールはスタートで後手に回り、最後方を追走。勝ち馬には3/4馬身届かなかったが、前残りの展開で上がり最速となる33.4の末脚を繰り出すなど、非凡な瞬発力は披露した。今回と同じ中山芝1600mの新馬戦では、ロスなく立ち回って強い勝ち方をしていただけに、コース替わりは歓迎。スタートを決めて流れに乗ることができれば、重賞を勝ち切る能力は秘めている。 5着ミラーダカリエンテは、自ら主導権を握ったが直線では徐々に失速して勝ち馬からは0.7秒差に終わった。2走前には中山芝1600mのサフラン賞で逃げて2着と粘っており、こちらも中山コースに戻ることはプラス材料と言える。 6着キタノクニカラは後方2番手からレースを進めたが、伸び切れず。2023年のフェアリーS優勝馬キタウイングの全妹という血統ではあるものの、重賞のメンバーに入るとやや厳しいと言わざるを得ないだろう。
芝1600m未勝利【データ:B メンバーレベル:-】
過去10年の成績【3-0-0-13】勝率18.8%、連対率18.8%、複勝率18.8% 重賞ながら未勝利戦を勝利した勢いそのままに結果を残すことも多い。今回と同じ芝1600m戦に限ると2024年のイフェイオンなど過去10年で3勝をあげている。 10月26日の京都3Rを勝利したのはアイサンサン。エリザベス女王杯を制したアカイイトの全妹という良血だ。スタートしてから先行争いが決着せず400mまでは12.3-10.7(23.0)と速くなったなか、4番手のインを追走。直線では逃げ粘ったモンテシートを振り切り、1馬身差をつけた。 1:34.3という好タイムは高く評価でき、ラストも11.6-11.5。負かしたモンテシートは次走で勝ち上がり、先週末に行われたジュニアCではファンダムの3着と好走したことを踏まえてもレベルが高い一戦だった。今回のメンバー構成ならアイサンサンも勝ち負けできる能力は秘めている。 キスアンドクライは、11月17日の京都3Rを勝利した。レースは横に5頭が広がって先行集団がごった返す展開となり、600mまでのラップは12.6-10.6-11.5(34.7)。序盤は中団より後ろを追走していたが、3角で3番手までポジションを押し上げ、直線で前を捉えるという内容だった。勝ちタイムは1:34.6、切れる脚はないが中山コースは合いそうな印象だ。 10月20日の東京2Rを制したカリーンは、道中4番手を追走。800m通過49.2のスローペースで、勝ちタイムは1:36.0と地味ではあったが、前残りの展開もゴール前でしっかり差し切った内容は良かった。 11月2日の東京2Rを制したのはエストゥペンダ。800m通過47.7とゆったりとしたペースで流れ5番手を追走した。直線は外からジワジワと伸びて後続に1.3/4馬身差。勝ちタイムは稍重で1:34.5だった。器用さに欠ける印象も受けるだけに、コース替わりが不安要素だ。 その他では、9月16日の中山2Rではホリーアンが勝ち上がり。序盤からスローペースで流れ、逃げたメルシーボクアスクがそのまま押し切るかというところを、3番手のインからゴール前で捉え切った。地味な内容ではあるが、立ち回りの巧さは感じるレースだった。 10月26日の新潟6Rを勝利して挑むのはマイスターヴェルク。2番手追走から早め先頭、ラストは11.2-11.9と苦しくなったが押し切った。こちらも内容は地味だが、新馬戦は10番人気ながらファンダムの3着だったということからも、軽視はできない。