「暇空茜」の請求を東京地裁棄却 Colabo仁藤夢乃代表への差別意識を認定
「暇空茜」などの名前を用い、インターネット上でさまざまな発信をしている水原清晃氏が、若い女性の支援などに取り組む一般社団法人「Colabo」の訴訟代理人を担った神原元弁護士に対し「記者会見で(自分の)社会的評価を低下させ、または侮辱する内容の発言」をしたり、記者会見をインターネットで配信したりしたことなどが名誉毀損にあたるとして合計660万円の慰謝料を求めた裁判が9月26日、東京地裁(本多智子裁判長)であり、水原氏の請求をすべて棄却する判決が下された。 水原氏をめぐっては、Colaboと代表の仁藤夢乃氏がブログサイトへの投稿で名誉を傷つけられたとして損害賠償などを求めた裁判で、東京地裁が7月18日、水原氏に220万円の賠償と投稿の削除を命じる判決を言い渡している(『週刊金曜日』2024年8月2日号で既報)。
精神的苦痛を与えた
さらに8月1日には、人権団体「のりこえねっと(ヘイトスピーチとレイシズムを乗り越える国際ネットワーク)」が、水原氏に対し著作権侵害などで訴えた裁判の判決が東京地裁であり、合計110万円の支払いを命じるなど、水原氏が敗訴する判決が今回も含めて7件続いている。 今回の裁判の判決文できわめて重要な部分は、暇空茜として水原氏がウェブサイトの投稿ページである「note」や旧ツイッターの「X」に投稿した内容が真実かどうかを詳細に検討し、別表にあるようにそのほとんどである11の投稿内容が「真実に反する」との結論を下したことだ。 そのうえで水原氏が仁藤氏を含むColabo関係者に対して「意図的に、相当程度の精神的苦痛を与えているという事実は、真実であると認められる」と判断している。 さらに判決文では「原告による真実に反する情報発信の動機が、女性に対する差別意識や嫌悪感に基づき、Colaboらの活動を妨害し、停止させる点にあったという事実である」と述べ、水原氏の女性への「差別意識や嫌悪感」が、デマの情報発信につながった点を指摘している。 神原氏は10月2日の報告集会で「判決は暇空(水原)氏の発信が、女性差別、女性蔑視に基づくものであることについて『真実相当だ』という言葉で認定している。きわめて本質的な認定だ」と強調した。 一方、水原氏は9月26日にXで「神原弁護士をリーハラ会見で訴えた訴訟ですが棄却とのことです。(略)控訴します」と述べた。
佐藤和雄・ジャーナリスト