村田ドーム決戦消滅もミドル級世紀の再戦の判定に論争?!第3戦の可能性も
リング上でアルバレスは「約束通りKOしたかったが難しい試合だった。ゴロフキンは強かったしハードパンチャーだった。だが、セコンドが接戦であることを教えてくれた。もう感情が高ぶって言葉もない」と語り2度「ビバ!メヒコ!」と雄叫びをあげた。 一方、右目近くを5センチも切り8針を縫ったゴロフキンは恒例のリング上でのインタビューには応じなかった。試合後の会見で「ジャッジがカネロ(アルバレス)に勝利を付けた以上、この日、誰が勝ったかと言うつもりはない。ファンにとって良い戦いとなり、とてもエキサイティングだったと思う。勝利した彼を称えたい」とアルバレスの勝利をリスペクトしながらも“負けてはいない”という主張も忘れていなかった。 「彼よりも私がいい戦いをした。私はとても落ち着いていて、ジャブの打ち合いでもコントロールできていた。カネロ(アルバレス)は逃げなかったが、それは彼が試合をコントロールしたということではない。試合は、まだ我々がコントロールしていた。彼は素晴らしいと言えるようなメキシコスタイルのボクシングをしなかった。確かに彼は、今回逃げなかったが、それで彼が勝ったという意味ではない。彼は何も特別なことはしなかった」 さて私たちが、気になるのは、この最終ラウンドの論争が、3度目の再戦につながるかどうかである。 ゴロフキンが勝っていれば、来年の2月か3月にも東京ドームでの村田とのビッグファイトが実現する構想が進んでいたからだ。ゴロフキンは、その実力とは裏腹にアルバレスのような爆発的な人気がなく、ビッグマネーにつながるPPVの契約件数も、それほど多く見込まれないファイターだ。 今回の再戦でも、当初、ファイトマネーを「3-7」でアルバレス側に有利な条件で交渉が進められるほどだった。目が飛び出るほどのファイトマネーが必要ではないゴロフキンならば、東京ドームに呼んで村田が挑戦することは実現可能だった。しかし、アルバレスと戦うとなると、そのファイトマネーは、天文学的になり、いくら帝拳に国際的なプロモート力があり国内で人気のある村田とはいえど交渉は難しい。 この日、WOWOWでゲスト解説していた村田も、自称“ボクシングオタク”だけあって、そのあたりの事情に詳しく、アルバレスへの挑戦が困難であることを口にしていた。 実際、アルバレスは、すでに12月に防衛戦を組んでおり、同じゴールデンプロモーションが契約している元IBF同級王者のデイビッド・レミュー(29、カナダ)が次期対戦相手として有力だという。 だが、その後にゴロフキンとの第3戦があるとすれば、また展開が違ってくる。ゴロフキンが再びミドル級の頂点に返り咲けば、ゴロフキン対村田のビッグファイトが、再浮上することになるのだ。