坂本龍一が遺したものとは。オープン前のGinza Sony Parkで「sakamotocommon GINZA」が12月開催
坂本龍一のレガシーに触れる
「sakamotocommon」は、次世代を担う若い才能が坂本龍一の精神を継承し、未来へと続くクリエイティブなコミュニティを築くために、坂本の知的財産を公共的・文化的に活用し、未来へと残す活動を行う団体。2023年に逝去した坂本が“遺したもの”を共有化し、これからの文化の発展に寄与することを目指す。 このsakamotocommonが「都会の中の公園」というGinza Sony Parkのコンセプトに強く共感したことをきっかけに、Ginza Sony Park側がその投げかけに呼応するかたちで、グランドオープン前の工事期間中であるGinza Sony Parkの場を特別に活用し、その初号プログラムとなる「sakamotocommon GINZA」を共同で開催する。 人間がふだん知覚することのできない「電磁波」をセンシングし可視・可聴化する、坂本と真鍋大度(Studio Daito Manabe、Rhizomatiks)のコラボレーション作品「Sensing Streams GINZA」が旧ソニービルの面影が残るGinza Sony Parkの地下空間で体験できる。 別の空間では坂本が日々採集していた雨の音や風の音など、7つのフィールドレコーディング素材(収録された年代と場所が異なる7つの音源)をこの企画のために360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)ミックスした立体音響と、坂本が自ら乃木坂ソニー・ミュージックスタジオで360 Reality Audio制作に立ち会った最後のアルバム『12』360 Reality Audioバージョンを、会場に設置されたスピーカーで聴くことができる。 まわりには、坂本が生前より進めていた図書構想である「坂本図書」を実現する場として、所蔵した書籍がフロア内に点々と置かれ、それらを自由に閲覧することも可能。またもうひとつのフロアには、坂本本人による「Merry Christmas Mr. Lawrence」などの演奏データを用いた空間も誕生。 会期中、sakamotocommonアドバイザーに名を連ねる齋藤精一(パノラマティクス)や 若林恵(黒鳥社)を招いてのトークイベントや、東北ユースオーケストラの演奏会、坂本龍一のピアノ調律師である酒井武による親子向けのワークショップ「ピアノの仕組みを知ろう!」も開催。 入場に際し、sakamotocommonのクラウドファンディングへの参加(3000円)が必要となる。詳細は以下Webサイトより確認してほしい。 【ステートメント】 Ginza Sony Parkが、「sakamotocommon」のはじまりの場となります。 sakamotocommonは、坂本龍一が遺したものを共有化する試みです。 坂本龍一が残した知的財産、楽器、蔵書、その他、さまざまな”遺産”のコモン化を目指し、未来のクリエイターのために利活用することを目指します。 Ginza Sony Parkは、都市における公共空間(=コモンズ)の在り方、新しい時代の文化と建築の在り方を指し示す非常に価値のある建物です。sakamotocommonは、Ginza Sony Parkのその姿勢と取り組みに強く共感し、共鳴します。 そこで、sakamotocommonとGinza Sony Parkは創造を共有する場を仮設することにしました。 坂本龍一が遺したものはいかに共有されるべきなのか。そこに答えがあるわけではなく、考え続け、そして、問いかけ続けます。 sakamotocommonがこれから社会により開かれたものとして活動をしていくためにも、みなさまの支援が必要です。まずはGinza Sony Parkに足を踏み入れ、当事者になってみてください。 sakamotocommon
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