【訂正】“負けヒロイン”が2024年のアニメシーンに与えた影響 『マケイン』『アオのハコ』から考察
『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』の「勝敗なきヒロイン像」は何を提示する?
というより厳密に言えば、どんなアニメ作品もリアルタイムのメディア環境から影響を受けざるをえない。『ガールズバンドクライ』が「大ガールズバンド時代」の作品とみなされるのにも、前年までの『ぼっち・ざ・ろっく!』『BanG Dream! It's MyGO!!!!!』の連続的ヒットの影響がないはずがない(そもそも「大ガールズバンド時代」は『BanG Dream!』の作中用語である)。 つまり一方では「リメイク」ブームにみられるように、一つの作品を不動の「芸術」とみなし、それを都度アップデート/反復していくような流れがある。 もう一方にはいまみてきたような、リアルタイムのメディア環境からの影響が作品の受容を大きく変化させる、刹那的なダイナミズムがある。 後者の、いわば「ジャンク」なノリは、時にはJR駅の風景を変えてしまうようなわけのわからない現象を生み出し、世の中を掻き乱す(だがそれがいい)。 そして2025年の展望を語るならば、たとえば1月から第2期が始まるTVアニメ『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』の提示する「勝敗なきヒロイン像」は、いまみてきたような「負けヒロイン論争」にどんな影響を与えるだろうか。アニメを取り巻くメディア環境からは目が離せない。 ※記事初出時、本文に誤りがありました。以下訂正の上、お詫び申し上げます。(2024年12月29日20:26、リアルサウンド編集部) 誤:八奈見杏奈 正:八奈見杏菜 (文=徳田要太)
徳田要太