坂口涼太郎が自然体を貫く理由「小さい頃から『普通』とされていることに違和感があった。自分の思うままに生きようと思ってくれる人が、一人でも増えたら」
◆出会いがすべて繋がって 僕は、「これはかわいい」とか「自分らしい」と思うものしか買わないことを徹底しているから、自宅には好きなものがいっぱい詰まっています。 例えば、野菜の皮をむくピーラーがほしい時。スマホで「ピーラー」に好きな色の「エメラルドグリーン」を加えて検索すると、納得できるものがすぐにいくつも候補に挙がってきます。自分の好みを知っているとラク。迷わなくなるんです。 何が好きかわからなくなった人は、書き出してみたらいいんじゃないかなと思います。好きな色に、好きな動物、絵、音楽。そうすると選びやすくなる。最近改めて、この好きなものに囲まれた部屋の、居心地の良さを感じます。 食べるものもそうです。気に入ったらずっと同じものを食べるクセがあって、麻辣湯を週5回とか(笑)。ちょっと前まではとろろブームでしたし、子どもの頃から大好物の茶碗蒸しが、レンジで簡単に作れることを知ってからは茶碗蒸しばかり。 一食たりとも無駄にしたくないので、何を食べるか1時間くらい考える時もありますけど、基本的に、お味噌汁と漬物と五穀米は毎日食べています。 子どもの頃のアトピーが漢方と食事療法で治まったので、味噌とか麹とか納豆といった発酵食品は体にいいと思っているんです。 もちろんフライドチキンやピザも食べますけど、食べたいからこそ、毎日ラーメンではなく、せめて家での食事は体を気遣うものにしようと思っています。
食事でこんなにも体の調子が変わるんだとわかったのは、アトピーを治そうと頑張ってくれた両親のおかげです。 小さい頃にさまざまな舞台を見せてくれたことといい、ダンス教室を探してくれたことといい、僕のためにいろんなことをして、導いてくれたんだなと、最近になってやっと気づいています。子どもの頃からの出会いがすべて繋がってここまできたんだと思うと、本当にありがたいです。 せっかくここまで好きなことをやらせてもらってきたんだから、芝居、ダンス、音楽、エッセイなど、自分がやってきたことすべてがふわ~っと集まって結実したものがいつかできるのではないか、という予感も、漠然とですがあります。 ミュージカルかもしれないし、映画かもしれないし、小説かもしれないけど、何か物語を作れる時がくるんじゃないかな、と。 そしてそれが、誰かの力になれば嬉しい。相手がいるから自分の選ぶ色が増えていく。それがやっぱり楽しいと思うんです。 (構成=大内弓子、撮影=木村直軌)
坂口涼太郎
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