海外メディアは紀平逆転Vとメドベ敗退を対比「観客仰天」
フィギュアスケートのグランプリシリーズ第6戦 フランス杯の女子フリーが、24日(日本時間25日)グルノーブルで行われ、ショートプログラムで2位だった紀平梨花(16、関大)がフリーで138.28点を叩き出して、合計205.92点で逆転優勝した。NHK杯に続くGP連覇で12月6日からカナダのバンクーバーで行われるGPファイナル初出場を決めた。 だが、一方で2018年の平昌五輪銀メダリストのエフゲニア・メドベージェワ(19、ロシア)は、SPで3位だったが、フリーではダブルアクセルで転倒するなどミスが出て、125,26点の合計192.81点で4位。先のスケートカナダでも3位と優勝できなかったためGPファイナル出場を逃した。 16歳の新星誕生と、女王の失墜を海外メディアは対比するように報じた。 米のNBCスポーツは「メドベージェワがGPファイナル出場逃す」との見出しを取り、「国際シニア大会のキャリアで初めて表彰台を逃し、12月のGPファイナル出場を逃した。 五輪銀メダリストはフリーで2度のジャンプで転倒しそうになるなど苦戦が続いた。メドベージェワはSP3位から順位を落とし、優勝した日本の紀平に13.11点及ばず4位だった」と伝えた。 同メディアは、メドベージェワが、2015年から2017年までの2年間は無敗だったが、昨年のGPファイナルを足の骨折で欠場して以来、平昌五輪も含めて、最近5大会では、2位、3位、もしくは4位と低迷していることを紹介。先月のスケート・カナダで3位だったため、GPファイナルに出場するには、今大会での2位以上がノルマだったことを伝え、「彼女は最近1年以上は勝っていない。結局、GPファイナル出場者はすべてロシア選手と日本選手で、世界大会で2度メダルを獲得している宮原知子や2015年の世界選手権覇者のエリザベータ・トゥクタミシェワも加わる」と報じた。 記事は優勝した紀平についても着目。 「16歳で今シーズンから国際シニア大会にデビューを果たした紀平は、トリプルアクセルは回転不足とされたが、2大会連続で着地を成功させ、初となるGPファイナルに進出した」と紹介した。 紀平は、冒頭のトリプルアクセルでは、なんとか着氷にこらえたが回転不足。続くトリプルアクセル―3回転トゥループの連続ジャンプも、トリプルがダブルアクセルになるなどミスが出たが、他では高い出来栄え点を奪い、逆転Vにつなげた。 「紀平が今シーズンの3大会で負けなしのアリーナ・ザギトワ(ロシア)に対して一番の驚異となるかもしれない」と、平昌五輪金メダリストで、今季も絶好調のザギトワの対抗馬として紀平の名前を挙げた。