全国高校サッカー、東福岡が守り切り8強…得点絡めず「全然楽しくなかった」エース伊波が復活のゴール
第103回全国高校サッカー選手権大会(読売新聞社など後援)は2日、3回戦の8試合が行われ、初出場の東海大相模(神奈川)は東北学院(宮城)に快勝し、8強入りを果たした。前回大会4強の堀越(東京A)は松山北(愛媛)を圧倒。流通経大柏(千葉)は高円宮杯U―18(18歳以下)プレミアリーグを制した大津(熊本)に競り勝ち、静岡学園(静岡)は高川学園(山口)を破った。明秀日立(茨城)は帝京(東京B)をPK戦の末に下した。東福岡(福岡)、前橋育英(群馬)、上田西(長野)も準々決勝に進んだ。 【表】試合結果とメンバーの一覧
「仲間を信じて我慢しよう」
試合前まで今大会無得点だった東福岡のFW伊波は、エースとしての重圧と戦っていた。「チームの勝利につながるゴールを決めたい」。そのチャンスは立ち上がりに訪れた。
8分、MF神渡が左サイドをドリブルで駆け上がり、阪南大の選手を引きつける。ぽっかり空いたゴール前中央のスペースで「仲間を信じて我慢しよう」とパスを待ち、ボールを受けると右足を振り抜いた。
平岡監督が「夏以降、最も成長した」と認めるストライカーだが、これまでの2戦は結果を求める焦りから調子が上がらなかった。シュートはわずか計2本。得点に絡むこともできず、「サッカーが全然楽しくなかった」という。それでも神渡から「絶対、お前に良いアシストをするから」と試合前に声をかけられ、気持ちを切り替えた。
チームは、2回戦で6点を挙げた阪南大相手に先制点を守り切った。今大会ここまで無失点の堅守に注目が集まるが、「後ろの守備陣に負けず、今日をきっかけにどんどんゴールを奪っていきたい」と伊波。準決勝以降は国立競技場で行われる。夢の舞台へ向け、自信を取り戻したエースがその先頭に立つ。(藤井竜太郎)