躍進の中心 涙の誓い 岡山学芸館・青中陽希投手
(3日、第143回秋季中国地区高校野球大会準決勝 広島商6―3岡山学芸館) 試合後、岡山学芸館のベンチ裏で、先発の青中陽希(2年)は壁に頭を打ち付け、声をあげて泣いた。「自分のミスで、自分で負けた」 一回、先頭打者を三振に取った球が暴投になり、振り逃げで出塁を許す。2死後、2人続けて四球で歩かせ満塁に。迎えた打者には、初球ストライクの後、内角低めを狙って直球を投げた。だが、、真ん中高めに入り、満塁の走者を一掃された。 佐藤貴博監督は「バッテリーがちょっとふわふわしていた」と厳しい。青中は「調子はいつもと変わらなかったけど、思うように投げられなかった」という。 追いついて迎えた九回、先頭打者に安打を浴び、送られて1死二塁。今度は高めに抜けた直球を捕手の佐藤滉起(2年)がそらし、走者を三塁に進めてしまった。前進守備の内野へ狙い通りにゴロを打たせたが、本塁返球が間に合わず、勝ち越しを許した。その後も、連打を浴び、6失点でマウンドを降りた。 今夏の甲子園でもベンチ入りしたが、登板機会はなかった。大会後、左横手投げから少し腕の位置を上げた。最速は120キロ程度でも球に力が乗って制球がついた。 ここまで、秋季県大会と中国地区大会の6試合すべてに先発して4失点と抜群の安定感を示し、チームの躍進の中心となった。「今日の負けを糧として、来年の夏、絶対甲子園に戻る」。泣きはらした顔でそう誓った。(大野宏)
朝日新聞社