【特集】亡き母の着物はコートに…古くなった服を“蘇らせる”奈良のスゴ腕の縫製職人に密着 遠回りして見つけた“居場所”「東京にこだわる必要はない」
奈良にある洋服のリペア・リメイク専門店。店主の鹿岡(かのおか)淳一さんは、着なくなった服や傷んだ服を蘇らせる縫製職人です。座右の銘は、「一枚の服を大切に着る」ということ。さまざまな想いで大切な服を託す人々と、遠回りして見つけた“居場所”で輝く職人に密着しました。 【動画で見る】母が残した着物も洋服に…古くなった服に新たな命を吹き込む、奈良のスゴ腕職人に密着
それぞれのストーリー、それぞれの想い…服に新たな命を吹き込む職人が営む4坪の店
(女性客) 「このブラウスが、衣替えをしていたときに出てきて。テンションを上げたいときとか、気持ちを上げたいときに、よく着ていたんです」 長年愛用していたものの、年齢的に着づらくなったブラウス。女性客は「使い続けるために別の物に仕立ててほしい」と依頼したところ、日常使いができる「マイバック」に生まれ変わりました。
服を蘇らせる縫製職人・鹿岡淳一さん。ひとたび彼の手にかかれば、使い古したサッカーのユニフォームやネクタイが、オリジナルの「スポーツバッグ」や「めがねケース」に。
20年以上着続けてボロボロになったベストも、破れた襟と袖口をポイントとなる切り返しで、見事に生まれ変わらせました。 (妻) 「すごいすごい、めっちゃかわいい。ありがとうございます」 (夫) 「いいわ。最高。また着られる」
奈良で最も古いと言われている商店街「奈良もちいどのセンター街」。その一角にあるのが、洋服のリペアやリメイクを専門にしている鹿岡さんの店「縫製基地」です。
この日も、女性客がやって来ました。 (鹿岡さん) 「こんにちは。この間のですね?じゃーん、こんな感じで」 (女性客) 「すごーい」 女性の依頼は、「着なくなったベストとスカートをリメイクしてほしい」というもの。鹿岡さんは、一枚のワンピースとして生まれ変わらせました。 (女性客) 「これで、また着られます。ずっとタンスの中で眠っていたので。でも、このチェック柄が気に入っていたから、処分するのもしのびないし。生まれ変わりましたね、新しい一枚に。この『上下をくっつける』という発想は、素人には全くなかったので。『自分だけの一着』という愛着があるし、手を掛けてもらったという付加価値があるから、すごく気に入っています。ありがとうございます」
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