ナポレオンも実は「睡眠不足」だった…「ショートスリーパーの99%以上」はニセモノ!ノーベル賞候補の睡眠学者が警告するワケ
謎多き睡眠の分野に挑み続ける世界的な研究者がいる。筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 機構長の柳沢正史教授だ。ノーベル賞の有力候補とも言われており、睡眠学の分野においてその存在を知らない人間はまずいない。 【一覧】クスリとサプリ「危ない飲み合わせ」がこんなにたくさん… 前回記事『毎日“6時間睡眠”の人は「酔っ払いながら仕事をしているのと同じ」って…! ノーベル賞有力候補の睡眠学者が憂う、日本社会の「深刻な睡眠不足」』では、柳沢教授に睡眠不足によって引き起こされる様々な弊害を語ってもらった。 本記事では、隠れ睡眠不足と自分にとって最適な睡眠時間を知る方法、そして一生のハンデを負いかねない子どもの深刻な睡眠不足について解説してもらった。
ショートスリーパーは単なる寝不足
謎多き睡眠の分野に挑み続ける世界的な研究者がいる。筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 機構長の柳沢正史教授だ。ノーベル賞の有力候補とも言われており、睡眠学の分野においてその存在を知らない人間はまずいない。 前回記事『毎日“6時間睡眠”の人は「酔っ払いながら仕事をしているのと同じ」って…! ノーベル賞有力候補の睡眠学者が憂う、日本社会の「深刻な睡眠不足」』では、睡眠不足が引き起こす脳のパフォーマンス低下と健康リスクについて、柳沢教授に解説してもらった。 ただ、そうした睡眠不足による弊害を全く感じていないように見える人間も存在する。短い睡眠時間でもハツラツと活動し続ける「ショートスリーパー」だ。忙し過ぎる日本の世情が影響しているのか、ショートスリーパーになりたがる人も増えているという。 だが、柳沢教授は「絶対に真似しないでください」と警鐘を鳴らす。 「トゥルー(真性の)ショートスリーパーであるか否かは、遺伝子レベルで決まっているとされています。しかも、実際に該当する人は数千人にひとりしかいない。訓練してなれるようなものではありません。99%以上は“自称”ショートスリーパーです。 眠気というのは少々厄介で、慢性的に睡眠不足が続くとだんだんと自覚できなくなっていく。中には『自分もショートスリーパーになれた』という人がいるかもしれませんが、脳が麻痺しているに過ぎません。睡眠時間を削りながら、自らの命と能力を削ってしまっている」 とはいえ、歴史を紐解くと、ショートスリーパーだったと目される人物が何人か存在している。ナポレオン、レオナルド・ダ・ヴィンチ、野口英世、森鴎外などだ。彼らは日頃から3~4時間ほどの睡眠しか取らなかったと言われている。 「私の理解では、ナポレオンはしょっちゅう居眠りをしていたとされています。これが事実だとすれば彼は明らかに睡眠不足。こういった歴史上の人物の中にトゥルーショートスリーパーが存在していた可能性はゼロではありませんが、だからといって自分もその特別なひとりだと思わない方がいい。きちんと眠ってください」 脳のパフォーマンスを最大限引き出す“良き睡眠”を取るには、「とにかく量が大事」と柳沢教授は説く。では、最適な睡眠時間はどのようにして知ればいいのか。
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