ナポレオンも実は「睡眠不足」だった…「ショートスリーパーの99%以上」はニセモノ!ノーベル賞候補の睡眠学者が警告するワケ
「7時間睡眠」が理想ではない
たびたび耳にするのが、「睡眠は7時間が最適」という言葉だ。それ以上でも、それ以下でも、死亡リスクが上昇する、という脅し文句を知っている方も多いのではないだろうか。 この7時間という数字は、各国の大規模調査の結果を根拠としている。しかし、あまり信じないほうが良さそうだ。 「7時間以下の睡眠が健康に影響を与えるという因果関係は、他の多くの研究でも指摘されている通りなので間違いないでしょう。一方で、7時間以上の睡眠のせいで死亡リスクが高まるという因果関係は怪しい。 というのも、健康な人はそもそも9時間も10時間も眠れないからです。この調査には横にならなければいけない病気の人や、生活習慣としてベッドで長時間横になっている高齢者、睡眠時無呼吸症候群の影響で長い睡眠になってしまっている人などが含まれている。 長時間眠っているから不健康なのではなく、不健康だから長時間眠ってしまっている。それがデータに表れてしまっているのです」
最適な睡眠量を知る方法を紹介
実は、最適な睡眠時間には個人差がある。柳沢教授曰く、それを手軽に知る方法は2つあるという。 まず、眠れるだけ眠る。これを4晩繰り返すやり方だ。 「3晩目まではこれまでの睡眠負債を返している状態。4晩目に取った睡眠時間が自分にとって十分な量だと思ってください」 ただ、長い連休でもない限り、眠れるだけ眠れる日を連続で作るのは難しい。そこで試してほしいのが、睡眠時間を徐々に伸ばすやり方だ。 「土日に寝溜めせず、平日と同じ時刻に起きてください。その上で、月曜日から数日毎に30分ずつ睡眠時間を増やしていく。多くの方は起床時刻が決まっているので、おそらく就寝時刻を早めることになるでしょう。 これを続けていくと、目覚まし時計が鳴るより前に、起床すべき時刻に起きられるようになります。この状態になったら、あなたにとって十分な睡眠が取れているということです。 いずれの方法においても、自身で思っているより多くの睡眠時間が必要なことに気づくと思います」 つづく記事『寝不足の子どもは「一生のハンデを背負う」可能性も…! ノーベル賞候補の睡眠学者が明かす“隠れ睡眠不足”の「恐ろしい実態」』では、あまり知られていない大人と子供の深刻な睡眠不足の現状を解説してもらった。
週刊現代(講談社)
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