「おにぎりを買いに来てギガ回復」もいいけど…「未来のコンビニ」に必要なもっと本質的なこと
まちかど厨房という武器
今回のローソンの会見では、主旨と異なるためか、中食に触れられることはほとんどなかった。だが、全国の約9,300店舗のローソンには、店内調理した弁当やおにぎり、サンドイッチなどを提供するブランド「まちかど厨房」がある。厨房が設置された小売店という視点で見れば、ローソンは国内最大規模の店舗数を誇る。今後、さらに“まちかど厨房”を拡充することで、厨房の数で勝るローソンは他社よりも優位に立てる。現在のところ、調理方法としては「揚げる」が主流だが、KDDIとのタッグによってIoTを活用し、揚げる以外の調理も期待できそうである。 ローソンが打ち出した、グローバルリアルテックコンビニエンスは、50年経過したコンビニが、今後100年に続くための新たなチャレンジが詰まっていた。同時に、商売人としてのリアルの接客、そして基本的な商品開発も、コンビニの次なる50年のためには重要になるだろう。
渡辺広明(わたなべ・ひろあき) 消費経済アナリスト、流通アナリスト、コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務などの活動の傍ら、全国で講演活動を行っている(依頼はやらまいかマーケティングまで)。フジテレビ「FNN Live News α」レギュラーコメンテーター、TOKYO FM「馬渕・渡辺の#ビジトピ」パーソナリティ。近著『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版)。 デイリー新潮編集部
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