「重要文化財だらけなのにいつも空いてる」京都の寺院が、アカウント名の変更を発表「まさか、公式に?」フォロワーざわつく
「重要文化財だらけなのにいつも空いてる萬福寺」という自虐的な定型文で人気の「黄檗山大本山萬福寺」(京都府宇治市)の【準公式】Xアカウントが、10月18日にアカウント名を変更することを発表しました。 【写真】実は「国宝」に指定されたのです! 「ま…さか…?」 「準公式→公式 かと思いきや」 「おめでとうございます。隠元禅師もお喜びでしょう。」 「公式に昇進?」 ポストを受けてリプライには、アカウント名変更の理由を想像するコメントが寄せられました。 萬福寺は、1661年に隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師によって開創された歴史のある寺院です。隠元和尚は「いんげん」「西瓜」「蓮根」などの今や私たちの生活のなかに当たり前にあるものを、たくさん日本に伝えた人だといいます。 また境内には貴重な創建当時の建物が残り、主要建物23棟、回廊、額などが国の重要文化財に指定されていて、まさに重要文化財だらけ。ところが、京都市内の観光地からは離れた場所にあるからか、「重要文化財の多さと 境内の広さに対する 観光客の少なさNo.1」という不名誉な1位をみずから発表するほど、訪れる人が少ないというのです。 そんななか、予告通りに18日の夕方5時、アカウント名が「【準公式】国宝 黄檗山萬福寺𝕏まんぷくじ」(@manpukuji_X)に変更されました。そうです。「公式」になったのではなく、「国宝」になったのです! 国宝に追加指定されたのは、法堂、大雄宝殿、天王殿の3棟。リプライには祝福のコメントが集まり、今しかチャンスはないという呼びかけに答える形で、「#萬福寺」が無事に(自作自演で)Xのトレンド入りを果たしました。 そして迎えた国宝初日、「拝観人数がギリギリ100名を超えた」と叫んだXの担当者さんにお話を聞きました。
「拝観人数がギリギリ100名を超えた」
──いろいろとおめでとうございます。アカウントが公式になるのかと思われた方も多かったですね。 発表は期日まで機密情報でございましたため、「におわせ」に留める形となりました。コメント欄でもお気づきの方がいらっしゃり、内心冷や汗をかいておりました。また、公式アカウント化のミスリードも、まさに意図したものでございます。 ──みなさんの応援する気持ちが伝わりますが、公式にはならないのですか? Xアカウントは今後、正式な運営が可能となれば、いつでも公式運営にお譲りする用意はございます。が、それまでは【準公式】という形で運営を続けて参ります。 ──公式がスタートしたら、今の準公式らしさはなくなっちゃうのですか?それはちょっと寂しいですね。自虐ネタを発信される準公式は、いつからスタートしたのですか? 弊アカウントはコロナ禍において運営を開始いたしました。当初は「公式(無印)」としての立場で運営しておりましたが、かなりの期間、投稿が放置された時期がありました。その頃より「公式」の立ち位置を完全に辞め、自嘲風味の(よく“自虐ネタ”と言われますが、あくまで事実です)投稿が増えております。また、イーロン・マスク氏によるX関連の騒動に便乗したことが、そうした内容の契機となっております。 ──今後の見どころは? 国宝指定に関する最新情報は、公式ウェブサイトにて随時更新しておりますため、そちらをご覧いただければと存じます。「ブームから定着まで」という視点から、準公式としては「#空いてる国宝萬福寺」が引き続き見どころとなっていると感じております。 ──フォロワー数も増え1.2万人になっています。X効果で訪れる方も増えそうに思いますが。 “Xの中の者”といたしましては、「国宝になったから」ではなく、「Xを見て来た」とおっしゃっていただけるご来山が非常に嬉しく存じます。しかしながら、どこまでいっても準公式なので、あくまで「Xを見た」ことによる特典は無く、中の者に直接会える事も絶対にございませんこと、何卒ご容赦ください。 (まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)
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