小渕優子・選対委員長は次の党役員人事で真っ先にクビに…ロクな仕事もできず「自民党のおごりを象徴するような人事だった」
表舞台に立てない小渕氏
朝日新聞が指摘した小渕氏の知名度の問題だが、これには詳しい解説が必要だろう。長崎4区の補選に自民党の候補として立候補したのは金子容三氏(41)。実はこの金子氏、祖父も父親も自民党の国会議員だったという“3代目”の世襲候補だったのだ。 「今の有権者は国会議員の世襲に批判的です。そのため長崎4区の補選が告示されると、陣営側など関係者が『世襲議員の小渕さんが、世襲候補の金子氏を積極的に応援すると、批判的な有権者が増えてしまう』と懸念したのです。そのため小渕氏は選挙期間中、“隠密行動”を余儀なくされました。ここで思い出すのは5月の静岡県知事選と、6月7日に告示された沖縄県議選です」(同・記者) 自民党に対する逆風の強さから、静岡県知事選でも小渕氏は“隠密行動”に徹した。沖縄県議選でも6月3日に応援のため現地入りしたが、同じ理由から街頭演説は断念。企業関係者との面談にとどめた。 世襲は小渕氏の問題で、裏金事件は小渕氏だけの問題ではない。それぞれの選挙で事情は異なるとはいえ、複数の選挙で“顔”としては機能していないのだ。何のために小渕氏を選対委員長に抜擢したのかという話になるのは当然だろう。
自民党の病根
さらに幹事長を務める茂木氏との関係も気になる。デイリー新潮は5月14日、「静岡県知事選で茂木幹事長が不可解な動き…小渕選対委員長は呆れ顔で『推薦出ちゃったよ』」との記事を配信した。 「自民党静岡県連は元県副知事の大村慎一さん(60)の推薦を党本部に上申していましたが、情勢調査などの結果から、上層部は二の足を踏んでいました。それを茂木さんが説得し、推薦することが決まったのです。すると小渕さんは『推薦出ちゃったよ、どうするんだろうね』と周囲に漏らしました。小渕さんの態度はまるで他人事です」(同・記者) 一体全体、小渕氏と茂木氏は充分にコミュニケーションが取れているのか疑問だ。ベテランの政治記者が言う。 「実は岸田首相、この夏に内閣改造と党役員人事を考えています。もし実現すれば真っ先にクビになるのは小渕さんだと言われているのです。自民党が選挙でこれだけ負け続けている原因が小渕さんにあるのは明らか、ということなのでしょう」 前出の伊藤氏は「自民党の根深い病根と、岸田さんの誤算を象徴する存在が小渕さんと言えるのではないでしょうか」と指摘する。