必見! 国のEV等への補助金(CEV補助金)、メーカーの充電インフラ貢献度が考慮され内容が一変
一部の欧州ブランド車でも大幅な減額が発生
目立つのは上記2社のEVだが、実は欧州メーカーでも大きく減額されているブランドがある。ジャガーとボルボ、そしてポルシェだ。 ジャガーはI-PACEが対象だが、前年度の52万円から40万円も減額されて12万円に。ボルボもEX30が65万円から45万円に、C40が65万円からベースグレードは35万円(他グレードは45万円)、XC40も同じく65万円からベースグレードが35万円(他グレードは45万円)と減額幅が大きい。ポルシェのタイカンも前年度はグレードにより最大52万円~42万4000円まで幅があったが、今年度は一律20万円になってしまった。 経産省は現時点(3月19日)で各車の採点結果を公表していない。ゆえに大幅な減点理由はいまひとつはっきりしないが、やはり配点比率が高い充電インフラを国内展開できていないことが影響しているのではないだろうか(ただし、ポルシェは独自の充電ネットワーク網を展開しているので、今回の減額はほかに理由があるのかもしれないが)。また、ベースグレードの減額幅が大きいのは航続距離が概ね短いからだと推測できる。
テスラの一部グレードは上限85万円を確保
対して、テスラは、モデル3のロングレンジグレード(AWDロングレンジ)が上限の85万円になった。テスラは一部を除き店舗を持たず、外部給電機能も日本仕様には設定していないなど条件的には不利なはず。それでも給付金の上限まで認められたのは、独自の急速充電網「スーパーチャージャー」に依るものと思われる。同社の他車種も前年と同条件になっており、充電インフラの整備が大きくものを言っていることが裏付けられる。 国内メーカーで興味深いのはトヨタbZ4Xとスバルのソルテラ。兄弟車であり、EVの基本性能にほとんど差はない。にもかかわらず、bZ4Xは最大給付額である85万円、ソルテラは前年度の85万円から今回は65万円に減額されている。やはり、独自の充電インフラを持っていない影響は大きいと思われる。対してEV黎明期から各ディーラーに急速充電器を設置してきた日産はアリア、リーフともに85万円(アリアNISMOは840万円を超えるため今後減額の可能性はある)、サクラも軽EV最高の55万円だ。 今回の令和5年度補正予算の総額は1291億円であり、令和4年度補正予算および令和5年度当初予算の合計900億円の1.4倍にもなる。今年度の申請数の増加を見込んだ増額だが、公表された算定基準にはまだ不明な点もある。経産省には補助金の給付額だけでなく、採点結果についても早めに公表していただきたいと思う。