立憲野田、参院選で「与党過半数割れに」…来年度予算を人質にとられた窮地・石破「唯一の手」選択的夫婦別姓制度が鍵に
衆参ダブル選は「野党共闘つぶし」唯一の手
自明のことなのだが、衆院選の選挙区には各政党、無所属の候補者が立候補する。その一方で、同時に行われる参院選の1人区では野党が候補者を一本化するとなれば有権者にわかりづらいからだ。窮地に立たされている状況に変わりはないものの、石破首相の衆参ダブル選という一手は「野党共闘つぶし」の唯一の手と言えるだろう。 もちろん、衆参の選挙で野党系が勝利すれば、文字通り政権交代を一気に果たすことはできる。ただ、衆院で立憲が議席を伸ばし、さらに首班指名選挙で野田代表が勝利しても、参院選での共闘が叶わずに野党系が過半数の議席を下回れば、衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」となる。衆院で少数与党の石破政権は参院では過半数を維持しているが、ねじれが生じた場合には現在とは比べものにならないほど厳しい政権運営を強いられるはずだ。先に触れた通り、参院での多数派形成は政権交代につながる。 民主党政権最後の宰相経験者である野田氏には、その困難さがわかっているのだろう。悲願の政権交代に向けて参院選での野党共闘を進めたいところだが、衆参ダブル選となれば野党間で闘わなければならない。先の衆院選で公示前から議席を4倍増とし、政党支持率が上昇中である国民民主党の動向も気がかりだ。 波乱含みの2025年、日本に待っているのは政権交代か、自民党政権の継続か。それとも第3の勢力が突如として現われるのか。いずれにしても、物価高騰が国民生活に打撃を与え続ける中、政治の混乱による「決められない政治」だけはご遠慮願いたいものである。
佐藤健太