立憲野田、参院選で「与党過半数割れに」…来年度予算を人質にとられた窮地・石破「唯一の手」選択的夫婦別姓制度が鍵に
だからこそ、今夏の参院選は「決戦」と言える
つまり、基本政策や主張の違いから野田氏は主要野党をまとめ切れていないのだ。 最近の政権交代のケースを見れば、まずは参院で与党を過半数割れに追い込み、次の衆院選で衆参両院の多数派を形成する。だからこそ、今夏の参院選は「決戦」と言えるわけなのだが、参院は衆院選とは異なり、改選を迎える議員が総定数(248)の半数しかいない。今回は東京選挙区の補欠選挙も組み込まれ、125議席を争う。 自民と公明の与党系改選組は67で、選挙が3年後までない非改選組は75に上る。野党系の改選組は50、非改選組は48だ。つまり、与党は今度の参院選で50議席以上を獲得できれば非改選組と合わせて過半数を維持できる。逆に18議席減となれば参院でも過半数割れとなる。そこで勝敗のカギを握るといわれる32の「1人区」に注目したい。 今回、改選を迎える議員は2019年の参院選で勝利した人々だ。この時、立憲や国民民主など野党4党は全1人区で候補者を一本化したものの、「与党系22勝、野党系10勝」となっている。2022年の参院選は「与党系28勝、野党系4勝」だ。実は、野党系が大勝したのは2009年の政権交代前に行われた2007年参院選までさかのぼらなければならない。この時は民主党の勢いが強く、「与党系6勝、野党系23勝」だった。
野党統一候補で勝てる選挙区
共同通信が昨年10月に配信した先の衆院選での比例獲得票に基づくシミュレーションによれば、立憲、維新、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の6野党が立民に一本化すると想定したケースでは与党が「3勝29敗」となり、過半数割れに追い込むことができるという。一本化から維新が抜けたケースでは与党が「10勝22敗」だ。それぞれの野党が別候補を擁立した場合は「29勝3敗」となり、野田代表が掲げた「少なくとも改選議席の与党過半数割れ」には野党系候補者の一本化が欠かせないことがわかる。 筆者が改めて衆院選の得票数をもとに分析すると、1人区で野党6党の票が集まれば自民系候補に勝てるのは8選挙区ある。富山、和歌山、岡山、徳島、高知、長崎、宮崎、鹿児島―の1人区だ。ただ、基本政策や主張が異なる政党の合計票通りにいく単純な話ではない。