立憲野田、参院選で「与党過半数割れに」…来年度予算を人質にとられた窮地・石破「唯一の手」選択的夫婦別姓制度が鍵に
「選択的夫婦別姓制度」の導入をめぐる駆け引き
日本維新の会の吉村洋文代表は予備選を踏まえた一本化を提唱し、野田代表も「一本化の実現を早めにしていきたい」と前向きに受けとめているが、維新から共産党までが共闘する場合は「野合」批判から支持者がかえって離れる可能性もあるだろう。 吉村氏自身も昨年12月2日の「BSフジLIVE プライムニュース」で、候補者調整について「同じく野党の間でも、全く考え方も違う同士で選挙のために選挙区調整をするのは野合・談合に近く、なかなか有権者の方も納得できるものではない」と説明している。予備選によって選ばれる野党系の候補者に「野党票の合計」が乗るとは限らない上、複数区では野党同士で戦う構図もわかりにくい。言うは易く行うは難し、なのだ。 1つのポイントになりそうなのは「選択的夫婦別姓制度」の導入をめぐる駆け引きだろう。立憲の野田代表は記者会見で法案を他党とともに共同提出し、「成立に向けて努力したい」と語った。石破首相は「議論の頻度を上げて熟度を高める」とするにとどめているが、自民党内には保守派議員を中心に慎重論が根強い。
来年度予算の成立を“人質”にとった野党
2月から本格化する来年度予算案をめぐる激しい与野党の攻防に加え、この法案の審議過程で石破首相が野党に配慮する姿勢を見せていけば、今度は自民党が一枚岩とならず、場合によっては参院選の前に「もう『顔』をかえよう」と首相退陣を求める大合唱が吹き荒れる可能性もある。 JNNが1月4、5両日に実施した世論調査によれば、石破内閣の支持率は41.4%で、不支持率は55.2%だった。石破氏にいつまで首相を続けて欲しいかは「出来るだけ長く」が22%、「25年予算が成立する春頃まで」19%、「夏の参院選まで」36%、「直ちに交代」16%―となっており、今夏の参院選までの交代を望むとの回答は7割を超えている。 この調査結果を見れば、野党は来年度予算の成立を“人質”にとりながら内閣不信任決議案を提出する必要はなく、できるならば石破首相のまま参院選に臨みたいのが本音だろう。国民生活に直結する予算の執行が遅れる事態は避けたいはずで、不信任案は初夏が有力な選択肢となるはずだ。 その際の不信任案は野党がまとまり、可決される公算大だ。石破首相は「同時にやってはいけない決まりはない」と述べた通り、参院選と合わせた衆院解散・総選挙という「ダブル選」に打って出るだろう。逆に言えば、唯一とも言える石破氏の手が参院選での野党共闘を困難にさせる。