テザー社への司法省調査めぐる報道で暗号資産上昇が頓挫
25日の暗号資産(仮想通貨)市場は当初上昇していたが、ステーブルコイン発行企業テザー(Tether)をめぐるウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)の報道を受けてアメリカ取引時間午後に反落し、本記事執筆時点では広範囲に下落している。この報道では、アメリカがテザー社を制裁およびマネーロンダリング防止の規則に違反したとして調査しているとされた。 ステーブルコインは、他の資産、通常米ドルに価値が連動する暗号資産の一種。時価総額が1200億ドル(約18兆円、1ドル150円換算)を超えるテザー社のテザー(USDT)は、他に大きな差をつけて最も広く使用されているステーブルコインだ。 この日この報道が行われる以前は暗号資産価格は上昇していた。ビットコイン(BTC)は6万9000ドル(約1035万円)の水準に近づき、この日か週末には3カ月ぶりに7万ドル超えに挑戦する可能性があった。テザー社に関するニュースが流れた後数分で、ビットコインは過去24時間で約2%下落した水準にあたる6万6500ドルまで急落後、6万6800ドルまでわずかに反発した。暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)は、同期間に2.3%下落した。 この記事の直後にX(旧Twitter)で発言したテザー社の最高技術責任者パオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)氏は、「ウォール・ストリート・ジャーナルは古い噂話を蒸し返しているだけだ」と述べた。同氏によれば、テザー社が調査を受けていることを示すものはないという。 |翻訳・編集:林理南|画像:CoinDesk|原文:Crypto Rally Foiled by Report of DOJ Probe of Tether
CoinDesk Japan 編集部