国連女性差別撤廃委の勧告に日本政府が抗議…谷口真由美がラジオで批判
■自分達から国連に入っているということを思い出すべき 今回は、選択的夫婦別姓の話や色んなことがあったんですけど、「日本は包括的差別禁止法がない」と、どんな条約でもずっと言われています。法的に日本は何が差別であるかを定義していないんですよ。 「これは差別かどうか決まってないから」みたいな言い方で逃げられてしまうので、実はそれがハラスメントなどの起こる構造に繋がっていたりするので、「定義を作りましょうね」ということをずっと言われているんですけど、これもやっていない。 他には例えば皇室典範のことも言われました。男系男子のことを言われて「えらく踏み込んだな」と思われるかもしれませんけど、実は前回も言われたのに、日本国政府の強い抗議でその項が削除された経緯があります。 今回は女性差別撤廃委員会、削除しなかったんですよ。世界で同じような男子を継承とするというものはあるけれども、「男性のみにしか継承権を与えないというのは女性差別ではないのですか」ということを趣旨として考えているということなんです。 別に日本だけをターゲットにしていないし、スペインもちゃんと勧告されて、それを改善しています。イギリスもウィリアムさんとキャサリンさんが結婚するときに2013年に王位継承法を改正しました。これまでは兄弟姉妹間男子優先制だったんです。兄弟がいる中で男子がいたら男子が相続するというものを、長子優先性、第一子が女子でも女王になれると定めたんです。 世界各国そうやっていろいろ言われて改正している中で、日本は言われてもあまり改正しない態度を取っている状況です。日本は名誉ある地位を占めたいと思っているはずです。国民世論も「守らんでいいやん。内政干渉や」なんて言っている場合じゃなくて、自分たちから国連に入っているんだということを思い出した方がいいよというお話でした。 ■谷口真由美(たにぐち・まゆみ) 法学者。1975年、大阪市生まれ。2012年、政治談議を交わす井戸端会議を目的に「全日本おばちゃん党」を立ち上げる(現在は解散)。元日本ラグビーフットボール協会理事。専門は、人権、ハラスメント、男女共同参画、女性活躍、性教育、組織論、ジェンダー法、国際人権法、憲法。
RKB毎日放送