国連女性差別撤廃委の勧告に日本政府が抗議…谷口真由美がラジオで批判
なんで入っているかというと、日本も国際的な基準のところに入れてもらいたいからです。自分たちも人権を守る国だと思われたい、「名誉ある地位を占めたいと思う」と日本国憲法の前文に書いてあるんですけど、名誉ある地位を占めたいから入ったんです。 でも、入りっぱなしでそれがちゃんと実行されているかどうかを誰かに見てもらわないと不安じゃないですか。だから人権条約には人権条約委員会がそれぞれ出来ているんですね。例えば女性差別撤廃条約の場合は23人の委員がいます。 委員は日本を含む締約国の国民の中から選ばれて、個人の資格で活動します。今は日本から、亜細亜大学の秋月弘子教授が女性差別撤廃委員会の副委員長に選ばれています。その前は弁護士の林陽子さんが委員長をしたこともあります。 国は外務省などが「この人をお願いします」と言って推薦してメンバーになっているという経緯もあって、名誉ある地位を占めたいので、委員会の委員にも日本人に入ってほしいと思っているわけですよ。 他の条約委員会、子供の権利条約でも日本人はいっぱい入っているんです。各国から1人ずつしか入れませんが、そういうことになっているというのを考えると「こんなん勝手にやってるやろ」とは言えないようなものなんですね。 ■勧告によって改正したこともある 女性差別撤廃条約の場合は各国から4年に1回報告書が上がってきます。これをちゃんと審査して、国際的な基準、現在の流れ、それから条約の趣旨などを見たときに「日本はここが足りていませんよ。ちゃんとやった方がいいですよ」というのが勧告ですね。 ただ、勧告が出たからと言って、直ちに実施しないと罰則規定があるのかと言ったらないんです。ですが、結局言われたことをあんまりやってこなかったから、ジェンダーギャップ指数が下がって、日本は下位のランクになり、今の女性の人権状況に繋がっているのは間違いないんですよね。 「何か積極的に行おうとしているのか?」というところもありますが、現実問題としては勧告によってちゃんとやれたこともあります。例えば、性行為に同意するかどうかを自分で判断できるとみなす「性交同意年齢」というものがあるんですけど、これが13歳から16歳に引き上げられました。