限定77台! 現代版ポルシェ「935」は2億円は下らない…が、オークションで落札されない理由とは? サーキットスペシャルが足かせ!?
サーキット走行専用モデルが落札に繋がらなかったわけは?
2024年8月15日~17日にRMサザビーズがアメリカ・モントレーで開催したオークションにおいてポルシェ「935」が出品されました。このクルマの総生産台数は77台に限定されていますが、今回RMサザビーズのモントレー・オークションに出品されたのは、その中で「70」のシリアルナンバーを持つ個体でした。 【画像】生産台数は77台限定! ポルシェ「935」を見る(全113枚)
世界中のサーキットで驚異的な戦績を記録
2018年9月に、カリフォルニアのラグナセカ・レースウェイで開催されたモータースポーツイベント、「ポルシェ・レンシュポルト・リユニオン」。そこで大きな話題となったのは、ポルシェの歴史上、最も過激なプロダクションモデルをベースとしたレーシングカーともいえる、グループ5規定によって生み出された「935」の存在だった。 そのベースとなったモデルは、もちろん930世代の「911ターボ」。グループ5規定はとくに自由度の高いレギュレーションだったが、ポルシェはその規定をフルに活用し、911の特徴的なヘッドライトを廃止したほか、リアフェンダーを延長するなど、可能なかぎりエアロダイナミクスを高めたボディを935のために生み出してみせたのだ。 リアに搭載されたエンジンは、2基のターボチャージャーで過給される2.8Lの空冷水平対向6気筒。最高出力と最高速は、最終的にはその後排気量拡大などの進化を続ける中で、750ps、370km/hに迫る数字を実現した。 この強力な性能は、世界中のサーキットで驚異的な戦績を記録することになる。デイトナ24時間レースでは6回の優勝を果たし、セブリング12時間でも同様の成績をおさめた。ニュルブルクリンク1000kmレースでは3連覇を達成し、1979年にはGTベースのモデルとしては初となるル・マン24時間レースを制覇した。 大西洋の両側で大きな成功を収めたことで、多くのプライベーターは935のデリバリーを望み、それに応えて1977年からカスタマー仕様のデリバリーを開始。その一方でポルシェは1978年型の935においてさらにダイナミックなボディデザインを持つ、モビーディック=白鯨を開発した。そのパフォーマンスと人気は絶対的なものとなったのである。 それから40年の時が過ぎ、ポルシェがポルシェ・レンシュポルト・リユニオンで発表したのが、このグループ5マシンの935をオマージュした、セカンド・ジェネレーションの935だ。