年収200万未満男性の未婚率は7割…日本人が結婚しない原因が「男性の年収」にある根拠
■地方の未婚率の増加が著しい 特徴的なのは、2012年においては、東京圏や愛知、大阪などの大都市が全国値より高い未婚率だったのに対し、2022年は大都市の未婚率増加は抑えられていて、むしろ地方の未婚率の増加が著しいこと。 特に、宮城、福井、滋賀、徳島などは10年前より20%ポイントもの大幅増となっています。それも、これらの県は2012年では全国値よりも低かったのに対し、2022年はいずれも全国値を上回る逆転現象が起きています。これは、10年前までは、その県の中央値の年収があれば結婚できていた層が結婚できなくなっていることを示します。
それを裏付けるのが、未婚者と既婚者との中央値年収格差です。30代の有業既婚男性の都道府県別年収中央値を計算し、それぞれ未婚と既婚の中央値の差を求めて、それの2012~2022年の増減と未婚率の増減をプロットしたものが以下のグラフです。明らかに、未既婚の年収中央値格差が広がっているほど未婚率が高まることがわかりました。相関係数は0.6311ですから、強い正の相関があります。 誤解のないように、これはあくまで2012~2022年の増減率ですから、マイナスとなっているものが既婚より未婚の年収中央値が高いということではなく、その格差幅が10年前に比べて減少しているという意味です。
■中央値以上稼いでいる者だけが結婚できるように 未既婚格差が広がっているということは、そのエリアでは、ある程度の年収以上でないと結婚に至らないということを示しています。わかりやすくいえば、中央値以上稼いでいる者だけが結婚でき、中央値では結婚できなくなったということです。ですから、全体の婚姻数が減っているわけです。 個々の都道府県の値云々より、ここで大事なのは、未婚と既婚の年収格差、結婚できない者とできる者との年収格差が大きくなっているところほど未婚率が増える傾向にあるという全体の流れです。