マカオの2024年6月貨幣・金融統計公表…銀行の不良債権比率が4.6%に、上昇続く
マカオ政府金融管理局は8月2日、今年(2024年)6月の貨幣・金融統計を公表。内容のサマリーは下記の通り。 【マネーサプライ】 流通貨幣が前月から0.6%下落、通知預金が3.7%上昇となり、M1は2.4%上昇。また、準通貨負債は0.9%減。M1及び準貨幣負債を含む広義貨幣供給量M2は0.6%下落、金額は7515億マカオパタカ(日本円換算:約13兆9290億円)に。前年同月との比較では、M1が5.3%下落、M2が4.8%上昇。M2に占める通貨別の比率はマカオパタカが33.2%、香港ドルが45.2%、人民元が6.8%、米ドルが13.4%。 【預金】 マカオ居民(マカオ居留権保有者)による預金残高が前月から0.6%下落の7305億マカオパタカ(約13兆5397億円)、非居民による預金残高は4.0%増の3436億マカオパタカ(約6兆3686億円)、公共部門の銀行システムへの預金残高が1.0%増の2033億マカオパタカ(約3兆7681億円)となり、これらを総合して計算した銀行システムの預金残高は0.8%上昇の1兆2774億マカオパタカ(約23兆6765億円)で3ヶ月連続プラス。このうち、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの占める割合はそれぞれ19.5%、43.4%、9.0%、26.5%。 【融資】 地元民間部門への融資は前月から0.5%減の5322億マカオパタカ(約9兆8643億円)。対外民間部門への融資は2.8%下落の5533億マカオパタカ(約10兆2554億円)。民間部門へ融資額は合計で1.7%減の1兆0856億マカオパタカ(約20兆1215億円)となり、マカオパタカ、香港ドル、人民元、米ドルの比率はそれぞれ20.6%、43.3%、14.5%、18.6%。 【預貸率/不良債権比率】 銀行のマカオ居民に対する預貸率は今年6月末時点で前月末から0.1ポイント下落の57.0%。非マカオ居民含む総体預貸率は2.2ポイント下落の85.0%。1ヶ月及び3ヶ月ベース計算による流動資産対負債比率はそれぞれ69.8%、61.8%水準。このほか、不良債権比率は0.2ポイント上昇の4.6%に。このところ不良債権比率は上昇が続いている。