中日の好調理由はメジャー式ベンチにあり?!
中日が戦前の予想を覆して好調をキープしている。ブレイクの兆しを見せていた高橋周平(22)が故障リタイヤ、エースの大野雄大(27)が不在という状況下で、首位の巨人と2ゲーム差だ。 本塁打でリーグ単独トップ、打点、打率部門でも、打撃10傑に顔を出す新4番・ダヤン・ビシエド(27)が起爆剤となり、ナニータ(34)、堂上直倫(27)らも引っ張られて、昨年までウイークポイントだった打線がリーグ2位のチーム打率.265をマークするなど活気づいている。ツープラトンで臨んでいる杉山翔太(25)、桂依央利(24)の2人のキャッチャーも、杉山が打率3割、桂が3本塁打を放つなど、打線のアクセントとなっている。中継ぎ、抑えに不安は残るが、中日らしい“嫌らしさ”が、他球団の脅威となっている。 実は、中日の好調には、もうひとつ隠れた理由がある。 それは、今季からメジャー式に改装されたナゴヤドームのベンチ効果だ。前列の席を取っ払い、代わりに背もたれのない座席バーを置き、後列の席は高くして、手すりつきのフェンスをベンチ前にとりつけた。監督やコーチ、選手らも、ほとんどが立ったまま、そのフェンスに張り付いて前に乗り出すスタイルだ。 バレンタインが千葉ロッテの監督に就任した際、現在のQVCマリンのベンチをメジャースタイルに改造したのが、日本のスタジアムでは最初だが、その後広島のマツダスタジアムも同じく最前列の椅子をとっぱらったメジャー式スタイルを導入している。 元中日の“レジェンド”山本昌が言う。 「今年のドラゴンズのベンチは活気づいて見える。ベンチを改造して選手が前のめりになってゲームに入ることになったことと決して無縁ではないと思う。ちょっとのことだが、そのちょっとが大事になってくるのが、プロの世界」 ナゴヤドームは、昨年オフに観客席も含めて約10億円をかけて改修工事を行い、外野のフェンスをラバーに変えたりしたが、その中で谷繁監督が要望を出したのが、このベンチのメジャースタイルへの改装だったという。