スウェーデン、正式容疑なしで高級品を押収可能に 犯罪集団の摘発強化
【AFP=時事】スウェーデンは8日、正式に犯罪の容疑を掛けられていない場合でも、合法的な入手を証明できない高級品を警察が押収できる法律を施行した。 【写真】スウェーデンでギャング間抗争が急増 加害者の低年齢化の背景とは 10月2日に議会で可決された同法は、右派政権による組織犯罪集団取り締まりの一環。 これにより、犯罪組織とのつながりが疑われる場合、正式に犯罪の容疑を掛けられていなくても、犯罪行為で得た収入で購入したとみられる車や金時計、ブランド品などを押収できるようになる。 例えば、合法的な収入がない無職の人物が高級スポーツカーを運転していて、どのように代金を支払ったかを説明できない場合などが該当する。 ウルフ・クリステション首相は今週の記者会見で、「犯罪絡みであることが明らかな物品を押収するための措置だ」と説明。新法は、1965年に現行の刑法が導入されて以降「最大の改革」だと主張した。 スウェーデンでは近年、犯罪組織同士の報復や違法薬物の販売をめぐる縄張り争いによる銃撃事件や爆破事件が急増。昨年は、確認された銃撃事件は363件に上り、53人が死亡した。 公共の場での銃撃事件も増加しており、通行人ら罪のない市民も犠牲になっている。また、犯罪組織構成員の親族も報復の標的とされ、殺害されている。 さらに、15歳未満の子どもは刑事責任能力がないと見なされるため、殺し屋として雇われることが多い。このため、押収に関する新法は、15歳未満にも適用される。【翻訳編集】 AFPBB News