<攻める・22センバツ倉敷工>選手紹介/1 高山侑大投手/宮田歩捕手/若林晴斗一塁手 /岡山
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)は3月18日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。13年ぶりの出場を決めた倉敷工の選手たちを紹介する。【岩本一希】 ◇気合十分、強気のエース 高山侑大(たかやま・ゆうと)投手(2年) 「攻めたぎる野球」を守備の面で支えるエース。四球を恐れない強気の一面も見せる。182センチの長身から繰り出すスライダーで、相手打者を翻弄(ほんろう)してきた。 昨秋の中国大会準決勝の広島商戦では先発のマウンドに上がったが、逆転負けを喫した。スタミナ不足を痛感したという。「連投を投げ抜く力がなかった」と唇をかんだ。冬はウエートトレーニングを続け、体重を10キロ増やした。 自身を「目立ちたがり屋」の性格という。試合前はロックバンド「ONE OK ROCK」の曲で自らを奮い立たせる。「秋の大会でみんなの将来を背負う責任感が芽生えた。甲子園では先発し、最少失点で投げきる」と気合十分だ。 ◇捕球、リードに安心感 宮田歩(みやた・あゆむ)捕手(2年) 「『投手が一番投げやすい捕手』と言われるよう、日々努力してきた」と自負する。バッテリーを組む高山投手も「投手を一番尊重し、投げたい球を投げさせてくれる」と全幅の信頼を置く。 高校に入って左肩の亜脱臼を2度経験した。練習を手伝う裏方に回ったことで、自分のプレーに足りない部分を客観的に見られるようになったという。「守備で(メンバーに)食らいついてやろう」と決意。捕手の手前に落ちた球を確実に捕球する「ワンバウンド捕球」の練習を毎日欠かさず続け、ミスが減った。 子どものころから家族で訪れていた甲子園。「いざ自分が立てるとなると、ワクワクする」。聖地でのプレーを前に心を躍らせる。 ◇聖地でも豪快スイング 若林晴斗(わかばやし・はると)一塁手(2年) 試合前、小声で「よし!」とつぶやいてからグラウンドに入るのがルーティン。「一気に戦うスイッチが入る」という。クリーンアップの一角を任され、打率は3割7分8厘を誇る。 高田康隆監督から「『右の主砲』として一緒に戦ってほしい」と熱い言葉をかけられ、入学した。部員総勢約90人とレギュラー争いはし烈で、なかなかベンチ入りできず、悔しい思いをしたことも。そんな時でも誰よりも声を出し、バットを振って、レギュラーの座をつかみ取った。 持ち味の豪快なスイングをいかして甲子園で結果が出せるよう、バッティングフォームを見直し、試行錯誤の日々が続く。目指すはバックスクリーンへの本塁打だ。